あれから10年は経ったでしょうか。
まだ日差しの照りつける残暑の厳しい頃、
私の転職先に柏原さん(仮名)がやって来ました。
柏原さんもあれから転々として、
また一緒の職場になりました。
朝礼で顔を合わせて、驚き。
でも、表情はあの時のままでした。
(まだ、納得いかないのかなあ)と
思いました。
10年経っても、柏原さんは
変わっていませんでした。
休憩時間に言っていた話も、
「僕は英語とか数学みたいな勉強は
好きだけど、介護の勉強は身に入らない」
とか、
「田中くんはケアマネだから、給料が良いでしょ。
僕らなんか馬車馬みたいに働かされるだけだよ。」
みたいな話ばかりでした。
正月が明けたある日、柏原さんは辞めていきました。
柏原さんは、今どうしているか分かりませんが、
でも、介護じゃない仕事に就いているとは
思えませんし。どこかで、
まだあんなことを言っているのでしょうか。
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自分で「これが私にとって天職だ」と
言える仕事に就いている人を
うらやましいと思います。
人生の多くは仕事をしなければなりませんから。
私も毎日のように仕事の話を中心に
ブログを書いていますが、時々、
「本当はあんな仕事やこんな仕事を…」って、
思ったりすることもあります。
仕事を”食べるため”とか、”生活のため”と
思っている人も多いのではないでしょうか。
大半がそうかな?
だから、柏原さんには嫌な気持ちも持ったけれど、
共感、同情してしまうところもあるんです。
でも、だからといって、柏原さんの
考え方や行動を肯定はしません。
ただ、「かわいそう」と思うのです。
それは「自分のしたい仕事ができない」
ことに対しての同情ではなく、
「いつまでも諦められない」「開き直れない」
ことに対しての哀れみ、です。
どこかで諦める、開き直る、つまり
自分の気持ちを切り替えることで、
今置かれている状況を変えられる、
そう思うんです。
それからがスタートですよ、きっと。
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