介護保険制度は6年ごとに見直すことが決められていて、今度の改正は2年後の2012年度です。
前回、2006年には地域包括支援センターの創設、地域密着型サービスの位置付け(小規模多機能型居宅介護、グループホームなどのサービスを言う)、介護予防サービスなど、大幅な改正がありました。
このような大きな改正が2年後に迫っているのですが、制度改正の議論を行う介護保険部会の話し合いも着々と進められています。
どんな改正になるのか、一部を挙げてみると「居宅介護支援・介護予防支援(ケアプラン…ケアマネジャーの仕事)に対する利用者負担の導入(0割負担→いくらか自己負担する)」、「軽度者(要支援1、2など)に対する利用者負担の引き上げ(1割負担→2?3?負担に引き上げる)」、「生活援助サービスなどの給付の縮小(生活援助=家事の代行サービスだから、介護保険から給付しない?)」などが論点となっています。
この他にもいくつか改正案が挙げられていますが、そのことについて、1人のジャーナリストが指摘していますので、ご紹介します。
ひとつめは、◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
“まず、ケアプラン作成における自己負担導入ですが、…(略)、利用者のケアマネジメント依頼が手控えられ、それにともない、「サービスの利用控え」が生じる可能性があります。”
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ここまで。
ケアプラン作成は自分でもできますので、そうなると作成料を支払う必要がなくなりますね。また、どうやってケアプランを作ればよいか分からない場合、利用できないことにもなります。
ふたつめは、◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
“それに拍車をかけるのが、軽度者への利用者負担増や給付縮小です。在宅における軽度者の場合、要介護者に必要な家事などを支える人も高齢化しており、生活援助サービスは「安心を支える命綱」となっています。それらがカットされる、あるいは負担増となる中で、入り口となるケアマネジメントの利用負担も加わるとなれば、「ならばサービスは使わない」という姿勢をとる人も増えてくることは確実です。”
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ここまで。
…ということで、「こんな感じの改正ですよ」とだけ書いておこうと思ったんですが、このジャーナリストさんへひと言。
要するに、この制度改正の論点では、利用抑制・負担増でますます困る人が増えてくる、という指摘です。
そうです、まさにこの制度改正はそれを狙っているのです。だって、財源が足りないんですもん。
では、この困難な課題をどうクリアするのか。代案を持っている研究者や実践家にぜひスポットライトをあてて欲しい、そう思ったのです。本当に日本の介護の問題を解決したいと思うならば。
批判ばかりの野党精神じゃ何も解決しない、というのは明らか。
私たちにしたって、ジャーナリストさんにしたって、自分の仕事の社会的使命が何なのか、真剣に考えなければいけないな、と思うのです。
誤解のないように言っておくと、私だって改正の中身に丸々賛成、ということではないですよ。
この間、NHKの番組でも、滞納しているためにサービス利用料がたくさんかかってしまうから利用できない人や、申請主義だけに必要なサービスが行き届かない人たちが増えている、というのをしていましたね。今後それに拍車がかかる、ということですからね。
明日も仕事。
私も頑張ります。