夕方、用事があって利用者さんの家へ電話したときのこと。

電話に出たのは、孫のお嫁さんだった。


その家は、利用者のおばあさん、その長男夫婦、孫夫婦、孫の子供たちの7人家族である。



「お母さん!田中さんから電話です~。」


バタ、バタ、バタ、バタ。


「はい~。」


はっきりした口調で話す長男のお嫁さんだ。

一家で農業をしていて、出荷できない野菜を“持って帰えんなはれ”と言って、時々お土産を持たしてくれる。



「ちょうど良かった、電話しようと思ってたところだ。」


ん?何か?


「明日、訪問看護さんが来る日だが。頼みたいことがあってなあ。」


「…あ、はい…。」


「明日、用事で昼に戻れんだが。ご飯は嫁さんがしてくれるが、オムツのことまで頼めんでな、看護婦さんにやってもらえんだろうか?」


「そうですか。分かりました。じゃあ、言っておきますね。」


今の時代、嫁さんの立場は強いなあ。いろんな家があるが、たいていはお嫁さんに気を使っている家が多い。

でも、頼んでみたら手伝ってくれるような感じなんだけどな。




ちょうど昨日、訪問先でこんな話も聞いた。


さっきの家と同じような家族構成だが、孫夫婦とその赤ちゃんは車で20分ぐらいかかるところに住んでいる。


孫のお嫁さんは仕事をしていて保育園に預けているが、送り迎えはおばあちゃんの仕事だ。


「同居してても“姑さんに見て欲しくない”って家もあるのに、頼られるだけでも良いと思わな。」


おばあさんは、赤ちゃんが何を食べて、いつオムツを替えたか、うんちは出たか、という記録を残して、仕事から戻ってきたお嫁さんに報告する。

「一番大事なのはお嫁さん、2番目は赤ちゃん、3番目が大きいおばあちゃん」と笑っていた。



そうだな、一緒に暮らしてもらえるだけでも、孫と関わらせてもらえるだけでも、有り難い世の中なんだな。






でも、ちょっとだけ複雑…。

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