平成18年度改正の軸となったのは、「介護予防」と「地域」ですが、いっぺんに2つを具体化していく事業が「地域支援事業」です。
「地域支援事業」は、①要介護状態にならない、②要介護状態になっても可能な限り地域で生活していく、ことを目的としています。
今日は「地域支援事業」のなかの、①介護予防事業のことを書きますね。
介護予防事業には、要介護・要支援認定を受けていないが虚弱である、という方が受ける「特定高齢者施策」というサービスと、要介護でも要支援でもない、虚弱でもないという一般の高齢者が受ける「一般高齢者施策」というものがあります。
そのうち特定高齢者施策は、栄養改善、閉じこもり予防支援、認知症予防支援などの事業を行います。
「認知症予防教室」とか、「~~教室」みたいなネーミングで行われているものがそうですね。市町村によって呼び方やメニューが違います。
いっぽう、一般高齢者施策はあまりなじみがないような気がしますが、皆さんはご存じですか?
教科書によると、介護予防情報の提供など、そんな内容のことを介護保険の財源から出しているようです。
こうして段階的に事業を組むのは、何度も言うように「要介護化」「重度化」にならないように、です。「重度化しないように水際で食い止める」という表現で、18年度当初は「水際作戦」と呼んでいました。医療で言うところの「早期発見、早期治療」みたいなものです。
「早期発見」という言葉が出たので横道にそれますが、「基本チェックリスト」というものがあります。このシートが「虚弱であるか、否か」を判定できるシートである、としています。
ここで少しまとめてみましょう。元気な高齢者の順から介護保険の対象の区分けしてみます。
一般高齢者施策>特定高齢者施策>予防給付(要支援)>介護給付(要介護)
です。こうして全ての高齢者が、介護保険から何かのサービスを利用できるようにデザインされたわけです。
これはちょっとした裏話ですけど、なんでこうして元気な高齢者までも介護保険の恩恵に預かるか、というと、一生涯のうちに介護サービスを受ける人は全体の20%なんですね。
つまり、残りの80%は保険料は払うが、サービスは受けずに生涯を終える、というわけです。言い方は悪いですが、保険料の払い損。そうなると、「保険料なんて払いたくない」という人が出てくることも予想されますよね。年金制度みたいにね。
だから、そうならないために介護サービスを使わないすべての高齢者の方たちにも護保険のお金を使っているんですよ、というアピールをしたかったんじゃないかって思うんですよね。
あ、これは私の邪推ですから忘れてくださいね^^
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