あと、覚えておきたいのが「住所地特例」ですね。私は特別養護老人ホームの事務員をしているときに、この制度を知りました。


介護保険は市町村ごとに保険者があります。つまり、A町に住んでいた人がB町に引っ越したときは「A町の被保険者の資格を喪失し、B町の資格を取得する」ということになります。


ところが、こういうことがあります。




A町に住んでいた田中さんが、B町の老人ホームに入りました。そのときにB町に住所を移したんですが、介護保険の扱いはA町のままです。つまり、田中さんは「A町の被保険者の資格を保持したまま」です。A町が田中さんの利用料金を老人ホームに支払い続けます。B町に住所があるのに、です。


ふつう、B町に住所がある人はB町が利用料金を支払わなくてはいけませんが、この田中さんのように老人ホームに入ったときに住所を移した場合、「住所地特例」といってさっきのようなことが起こるのです。


これは老人ホームが建っている町村の負担が大きくならないようにするためですね。

この例でいえば、B町の周りのA町、C町、D町には老人ホームがないとします。そこで「施設に入りたい」という人は、B町に集中するわけです。そうするとB町の介護保険の負担が大きくなりますよね。元A町、C町、D町の人たちの面倒をすべてB町が見てあげなければいけなくなるわけです。

そうならないために、田中さんの場合は元いたA町が介護保険の負担をする、ということです。



この「住所地特例」が適用される施設は、①介護保険施設②30人以上の介護専用型特定施設③養護老人ホームの3つです。



(「未来ドラマ●じいさんの明日」につづく。)

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