昨日お伝えした「日本ホスピス・在宅ケア研究会in鳥取」のお話しをしたいと思います。

いちばん始めは「スピリチュアルケア」について、です。


「スピリチュアルケアって一体なんだろう」というタイトルのシンポジウムでした。司会は柏木哲夫先生(大阪大学名誉教授、淀川キリスト教病院名誉ホスピス長)でした。柏木先生は日本で初めてホスピスケアを始められた(1973年~)方だそうです。


スピリチュアルケアって何かご存じですか?私もよく知らないんですけど、こんな所からお話しを進めていきましょう。



WHOの定義で「健康とは…?」というものがあります。「健康とは、①身体的②精神的③社会的に健康である、ということである」だったかな?健康とはそういうものであります。(えっへん)


それで、最近になって、というか、3つに比較して新しい概念として「④スピリチュアル」というものが取り上げられるようになりました。これは、日本語では“霊的”であるとか“宗教的”であるとか、そういうものらしいですが、私には、もうひとつピンと来ません。


ただ、セリフで説明すると「なんで私だけが死んでしまわなければいけないんだろう?」「私の存在ってなんだ?」、そういう言葉がスピリチュアルな部分から出てくるもの、らしいです。(らしいです、って!?)


この「④スピリチュアル」というものは、①②③のうち、どれかひとつでも大きく損なうと④に影響する、ということです。


例えば、ちょっとした病気で入院などしたときに影響を与えることはないが、治らない病気になったときなどは、もちろんスピリチュアルに影響を及ぼしますよね。


また、社会的にもリストラにあったとか、家族関係が修復できなくなったとか、そういうことでスピリチュアルに影響を及ぼすこともあり得ます。


さて、ケアの現場でもスピリチュアルに問題を抱える人っておられますよね。生きる意味を失っている人とか。


そういう場面で登場するのが…。そうです、“スピリチュアルケア”なんですね。


「スピリチュアルケアって、一体どうすることなんだろう…」ということになりますが、語弊があるかもしれませんが、「何もしない。ただ寄り添う。」ということのようです。


何かの技術を持って治そうとしたり、面接技術を駆使したり、そういうテクニカルなものではないんですね。「何とかしてあげなければならない」ということではないんです。安田裕子先生だったか、藤田美和先生だったかは、「限界を知ること」だと言いました。


できないことはある、それを自覚してなお、関わる。どうにかできるものじゃないけど、でも真摯にその人に向き合うこと。それが「スピリチュアルケア」なんだろう、たぶん。


柏木昭人先生は、「スピリチュアルケアギバーに求められるもの…人間力」、「救急医療では技術力、一般病棟では技術力+人間力、緩和病棟では人間力」が要求されるでしょう、と話されました。


以前、私が介護福祉士の資質のことを書いた「介護福祉士の話 」で、「介護するのに必要な、座学では身につけられない、教えることのできない要素」というのは、この人間力のことなのかな、と思いました。論理では説明できない人間力というものがスピリチュアルケアには必要なのかもしれませんね。




「いかにいい仕事をしたかよりも、どれだけ心を込めたかです。」(マザー・テレサ)



う~ん、深いねえ。

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