要介護化の推移を見てみましょう。
年齢が65歳以上を高齢者といいます。そして、65歳~74歳を「前期高齢者」、75歳~を「後期高齢者」といいます。
前期高齢者で要介護認定を受ける人は3.5~1.5%と低率ですが、後期高齢者になると急に増えてきて、80歳~84歳で10人に1人(10%)、85歳以上で4人に1人(25%)が要介護者になる計算です。
寿命が長くなればなるほど、要介護化する可能性も高くなる、ということです。
要介護認定というのは、介護保険が始まってから始まったものですが、制度が始まった2000年(H12)のときには全国で218万人の方が認定されていましたが、2007年(H19)には440万人と倍増しました。
たった7年間で2倍です…。
(σ(^_^;)コウイウノモ、ホオリコンデイキマス)
そんなに高齢化って進んでるんでしたっけ?
いやいや、そうではありませんよ。
日本の高齢化は他国と比べて速いスピードで進んでいると書きましたが、そ~んなにも速くありません。それには原因があるんですね。
その原因は?といいますと、
一番大きいと考えられるのが
措置から保険に切り替わったから、
ということが言われています。
介護保険は2000年から始まったのですが、それまでは措置というやり方でした。
措置というのは、役場などの行政が「この人には福祉サービスが必要だor必要でない」を判断していました。
「お上の世話になる」という感じだったんですね。施しを受ける、ということでしょうか。
こういうイメージがあって、利用するのに抵抗感があったといわれています。
いっぽう、保険、というのは保険料を支払うんだから利用して当然だ、という権利意識になるんでしょうか、さほど抵抗を感じませんよね。
権利意識、といえば家族の様相も変わりました。利用に抵抗がなくなったのは、家族の側かもしれません。
実際に平均年齢が上がったということは高齢化になり、要介護化になります。
そうすると介護する家族の介護期間も長くなっていきますよね。また、社会の変化、例えば人口の集中と過疎化により、核家族化していきます。
同居する家族が少なくなり、結果としてお年寄り夫婦しか残らない。「老老介護」の問題も大きいです。
もうひとつの問題は、介護の多くは女性が担っている、ということです。
女性の社会参加が進む世の中でありながら、一方では介護問題を抱える、となると、家庭での介護が破綻してしまいます。
「介護の社会化」という介護保険の目的はこのような世の中の要請から始まったのですね。
一方のご本人にとってはどうでしょうね?積極的にサービスを使いたい(施設入所したい)、と思っておられるかどうか?
そう考えると、おのずと私たちが行うケアはどんなものが良いか、見えてくるような気がします。
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追伸;
その他、ケアマネジャーによる対象者の掘り起こし。昔なら対象にならないんじゃないか、という人まで要介護認定を受けたり、介護予防の効果が上がらず重度化している、
などが言われているようです。
