「田中さん、やっぱりあの家は息子さんが板挟みになっていたようです。」と、
一緒に仕事をしている山本くん(仮名)が言ってきました。
「あ~、やっぱりそうか。」と私は言葉を返しました。
その後しばらく、「う~ん」と考え込みました。
思い出せないのです、言ったことを。
話は合わせたんですが「息子さんの気持ちを聞いてみ?」
なんて、言ったかなあ。
みなさんは「言ったこと」と「言われたこと」、
どちらを覚えていますか?
私は「言われたこと」なんですが、みなさんはいかがでしょう。
高校の時、進学するにあたって先生から
「あなたみたいな人は福祉は向いていないと思うから
考え直しなさい」と言われたことを今でも思い出します。
でも、先生は覚えていないだろうな。
「あの時にバッティングフォームを指摘してくれて嬉しかったよ」と、
高校時代の野球部の友人に卒業してから1年後ぐらいしてから
言われたことがあるんですが、
「え~、そんなこと言ったっけか?」と思いながら、
“さすが、俺♪”と悦に浸ったことを覚えています。
だから、このことも高校時代に自分が言った言葉は忘れていても、
褒めてもらったこと(言われたこと)は覚えているでしょ。
でしょ、でしょ。
言ったほうは覚えておらず、言われたほうは覚えている。
要は何が言いたいのか、というと、
言うときはもっと意識して言おう、ということを
今日心に決めたのです。
何げなく言ったその一言が相手にとっては、
ずしりと重いものになる可能性がある。
人生を左右することもあり得る。
言ったほうより言われたほうが覚えているものだから、
ということなのです。
今日、そのことを痛感したので。
当然、言いたいことはズバリと言ったほうがいいこともありますが、
言うときは相手への影響をよく考えて言うべきだな、と思った次第で。
「言ったことを忘れる」。
老化じゃないよな(笑)