デイケア(通所リハビリ)を訪問しました。
私が担当している藤堂さん(仮名)が、
ちょうどリハビリをしようとしているところでした。
藤堂さんは腰椎を痛めて両下肢(両足)が麻痺している男性です。
藤堂さんは私の顔を見るなり、歯を見せて手を振ってくれました。
「昨日から杖歩行を練習しているんですよ。」とPT(理学療法士)さん。
藤堂さんも嬉しそうです。
歩行練習の様子を見させていただきました。
あまり動かない足です。日ごろは座ったきりなので、
足はむくんでいます。
血液のめぐりも悪いでしょうから、
ぱんぱんに張ってツヤツヤして、
白い肌がますます目立ちます。
「すね毛もないし、大根みたいだな」と、藤堂さんは笑わせてくれました。
マッサージ、準備運動をして、いよいよ歩く訓練です。
両方の手で杖を持って、PTさんが後ろについてゆっくり歩きます。
杖をつく場所、歩幅、上体のバランスを意識してゆっくり、
でもリズム良く歩行していきます。
15メートルほどは順調でしたが、疲れたのか、
杖と足のリズムが狂って、重心も次第に後ろに…。
「藤堂さん。止まりましょう。」PTさんの一言でひと息つく藤堂さん。
また姿勢を直してから杖を出して歩き始めました。
帰りは疲れてしまって、4点杖を使った藤堂さんでしたが、
無事にもとのイスまで戻ることができました。
「こんなに早く、杖で歩けるようになるとは思わんかった。」と、
言ってまた笑顔。
「歩行器は歩く範囲が限られてしまうけ、
早く杖で歩けるようになりたいなあ。」
「歩き始めの子供みたいだな。子供のやり直しだ。」と、
また、みんなを笑わせました。
そんな藤堂さん、デイケアに通い始めた頃は車イスでした。
住宅も車イス用に段差をなくしたんですが、
ちと、見通しが甘かったようです(汗