人相手の仕事ですから気になるんですね。

まあ、どんな仕事でもそんなことはあると思うんですが。



波長の合わない人と出会ってしまいました。

別に誰が悪いというわけではないんです。

ただ、私とその人の波長が合わなかった、というだけのことです。







併設している診療所の患者さんでデイサービスを希望している人がやってきました。



診察が終わってから相談室へ案内しました。

そして、私があいさつをしようと名刺をお渡しするやいなや、

というタイミングで「デイサービスに行かせてください。」と、

話し始められました。



おばあさんはボーッとしていて、話しかけても返事がありません。

対するお嫁さんは家での苦労話を途切れることなく話し続けます。

このまくしたてるようなしゃべり方の人とは私は波長が合わないのです。

私は現在のご病気や内服薬のことを聞きました。

そして、自宅での生活の様子を聞こうとすると、

「どれくらいかかりますか?」と釘を刺され、

「お急ぎのようでしたら、改めて自宅でお伺いしましょう。」と

その場は終わりました。



次の日、お嫁さんから電話がありました。

「デイサービスは月・水・金でお願いします。

いつ頃から行けますか?」という電話でした。



はあ~・・・。まだ話も聞いていないのに、気が早いなあ。



2日後、自宅を訪問しました。

おばあさんはこたつに潜るようにはまり込んでいました。

声をかけると驚いたようにノソノソと起き出しました。

「介護保険証を確認してもいいでしょうか?」。

私が切り出すとお嫁さん、

「まだ、保険証をもらっていないんです。」と、堂々と。



…へっ!?



聞くと、申請はこの前にしたばかり。

役場からは「認定が出ていなくても、

申請さえすれば使えるから」

ということは聞いておられるんです。



まあ、そうなんですけど…。このソワソワ感が合わないんですね。



「ご飯はどれくらい食べておられますか?」

「食べてますよ、食べています。

1人暮らしだけど、近所の兄嫁が毎日やって来て、

総菜を用意しているんです。ほら…」って、

こたつの上には朝食のおにぎりと煮物。

食べた形跡がない。手をつけていない。



…食べてるって言うけど、食べてないんじゃ…?



「1日の水分量はどれくらいですか?」

「飲んでいます。ポットが置いてあるし。ポットも使えるんです。

自分で扱うことができますから好きなときに飲んでいますよ。」



…飲んでいますって、どれくらいなの?

ポットにはどれくらいお湯が入っていて、いつ替えるの?

1日でポットのお湯はなくなっているの?



聞こうと思ったけど、たぶん分からないだろうから

聞くのを止めました。

ボーッとしている様子を見ると脱水は明らかでしょう。

ご飯も食べたり食べなかったり、

そりゃあ、1日こたつで寝てたら腹も空かんわな。



「じゃあ、またデイサービスの職員とお邪魔しますね。

そのときに送迎時間と…」言うが速いか、

「えっ、まだ行けないの?いつ行けるんですか?

早ければ、今週中でも、っていうことだったのに…」



たしかに、そう言いました。月末で忙しかったので、

なかなか自宅訪問できなかったのは、私のせいでした。



「すみません…。明日には来ますから」、と言って、家をあとにしました。



遅れてしまったのは、ただ忙しかったからなのか。

それとも、波長が合わないお嫁さんに会いたくなかったからなのか。




波長の合わない人。

あなたにもそんな人は

いませんか?

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