昨日「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)」の研修を聞いてきました。
「成年後見制度」って、よく耳にすると思うんですが、いかがですか。
以前よりは浸透しているかもしれませんが、どんな制度なのか知らない人も多いと思います。
今日は成年後見制度というものがどういうものか、“できるだけ分かりやすく”を心がけて記事にしてみます。
この制度は2000年、平成12年から始まった制度です。
ちょうどこの年、もうひとつ大きな制度が始まっています。
ご存じでしょうかね。
……そうそう、「介護保険制度」です。
よく「成年後見制度」と「介護保険制度」は車の両輪だ、
って言われてたんですが、
「ホワイ?┐( ̄o ̄)┌」でしょ♪
ちょっと横道にそれるのは、説明に自信がない表れ?(;^_^A
気を取り直して。
私たちは、知らない間にいろんなことを「判断」「決断」しています。
「どんな仕事に就きたいか?」
「付き合っている彼(彼女)と結婚するべきか?」
「今の子どもの行動を叱るべきか?」
「夕飯は魚にしようか、肉にしようか?」
「飲みの誘いを断るべきか?」
いろんなことがあります。
どんな些細なことでも、どうしたらいいか、判断しているわけですね。
「やりがいがあるからこの仕事を選ぶ」
「この彼(彼女)だったら私を幸せにしてくれそう」
「良い子どもに育って欲しいから、今叱っとこう」
「コレステロールのことを考えて魚にしようかな」
「金がないけど、つきあいだし…あ~、困る困る」
判断する理由もさまざまです。
ところが、歳を取っていくとそういう判断力が衰えてくる人もいます。
例えば、認知症になった人たち。
でも、そうなった人でも、次々に身の回りに起こってくる出来事を判断して生きていかなくてはいけません。
でも、間違った判断、自分の不利益になるような判断をすると、たちまち困ってしまう。
例えば、悪徳業者にだまされて高額な必要のない家のリフォームをさせられて貯めていた預貯金が0円になってしまった、とか。
「判断する力が衰えている人を助けてあげる人を決めておく」、これが成年後見制度です。成年後見制度の中の「法定後見」といいます。
付け加えておくと、認知症に限らず、知的障害や精神障害など、判断能力に支障がある、という人はこの制度を利用することができます。
「助けてあげる人」は3種類います。その人の判断能力に応じて、です。低い人から「成年後見」「保佐」「補助」です。それぞれ「成年後見人」「保佐人」「補助人」といいます。どんなことを判断してもらうかということを、あらかじめ決めておきます。
「誰がどうやって後見人を決めるのか」というと、裁判所なんですね。裁判所は悪いことをした人が行くところだけじゃないんですね。でも、ちょっと引いちゃいますね。足が向かない、というか。
さっき「成年後見制度と介護保険制度は車の両輪だ」って書きましたが、どういうことか書いておきますね。
介護保険が始まる前は措置(そち)といって、どの人にどんなサービスを使ってもらうかは、行政が決めていたんです。でも、今は介護サービスを受けるときは自分でケアマネやサービス事業所を選んで契約を結ばないといけません。でも、認知症になっている人たちは、その事業所と契約してもいいかどうか判断するなんて難しいですよね。だから後見人などを決めてちゃんと契約を結びましょう、ということだったんです。
でもどうですか。あまりそうなっていないですよね。
誰が契約しているか、というと、家族です。
これって日本の文化なのかなあ、と思うのですが、本人の判断能力を家族に委ねるということがごく当たり前になっていますね。病気の告知なども、少し前は家族に「告知してもいいか」と許可を取ってから本人に告知していたようでしたからね。
それと、ドイツなんかも同じように成年後見の制度があるんですが、制度の利用者は日本に比べて格段に高いらしいですよ。
本人主義というか、個人主義が当たり前の欧米と日本とではそのあたりのことで制度の普及に違いがあるような気がしますが、どうでしょうか。
それと、もうひとつ。さきほどの「法定後見」に対して「任意後見」というものがあります。これは判断能力が正常な今のうちに助けてくれる人を決めておく、というものです。
「次回は事例を通して
この制度の問題を斬る!」
なんちゃって。