今日は、朝から退院するAさんの調整をしていました。
実は、隣で仕事をしている工藤上司(仮名)も
急なショートステイの対応で
競争で電話をかけていました。
Aさんは心不全増悪でB病院に入院して、一ヶ月になります。
朝早々に息子さんから電話がありました。
「体調も安定したので、退院の許可が出たんだけど、
寝たきりになってしまって。どうしたもんだろうか?」
Aさんの家は、妻と息子との3人家族。息子は会社員なので、
主に介護するのは妻です。
でも、妻も腰痛がひどく、入院するまでに、
少しずつショートステイの日数が増えていきました。
私も病院の近くに用事があると、Aさんの顔を見にいき、
少しずつ体が弱ってきているのを感じてはいました。
「奥さんのことを考えると、在宅は無理かもしれないな。」とも。
そして、今朝の電話でした。
「なかなか、入所を引き受けてくれるとこなんか、無いよなぁ」と思いながら、
入所申し込みをしていた老人ホームに連絡をしました。すると、
すぐの入所は無理だけど、ショートステイでしばらく入所させてもらえる、
という意外な言葉が。
正直、ホッとしました。
そして、工藤上司にショートステイのことを報告すると、
工藤上司はポツリをこう言いました。
「本人の知らないところで、自分の行き場所が決まってしまうね。」と。
ハッとしました。
そして、Aさんの顔が思い浮かんで…。
人の住まいをこんな簡単に決められるんだ、と。
工藤上司もショートステイ先をあたりながら、
そう思ったのでしょう。
衣食住というくらい、住むことは人にとって大切なこと。
妻の負担を考えると仕方がないことなんですが、
あまりに事務的な私の仕事ぶりに
ハッとさせられたのです。