健康状態の変化を見抜けない。
これは福祉系の弱いところです。
どうしても、精神面に目がいってしまう。
そういうところが出た今日の話です。
「先週ごろから嘔吐されるようになったんですよ。」
通所リハビリの担当者から連絡がありました。
「その分、家では食べておられるようですけどね。報告です、報告。」。
ふだん、そんなに連絡がないのに報告をくれるときは、
たいがい「いつもと違うぞ」というサイン。
通所を始めて一ヶ月のおばあさんのことです。
閉じこもりで足が弱ってしまい、
毎日通所リハに通ってリハビリをすることになりました。
「私は病院にもかかったことがないし、行きたくない。
人のたくさんおるところは好かん。」と
いうところを息子さんと一緒に説得して、
何とか通所にこぎつけた人です。
まあ、なにしろ去年まで畑で野菜を作っていた人ですからね。
88歳まで。
老人クラブの旅行などにも参加したことがない、
趣味もない、仕事一筋のおばあさん。
いまさら、デイで歌を歌ったり、ゲームしたり、
っていう性分じゃないですもんね。
でも、おばあさんは頑張りました。
通所リハの初日は車イスだったのが、歩行器になり、
3週間でシルバーカーで歩けるようになりました。
そんな、安心していた頃にあった報告でした。
通所リハの事業所に行ってみると、
テーブルに顔を伏せているおばあさんに出会いました。
嘔吐したときのためのレジ袋を両手で抱えていました。
「おばあさん、おばあさん。」と声をかけても、
あ、ああ、と声もろくに出せません。
あまり食べられないのか、元気もない。
顔色も良くない。
やっぱり、ひと中にいることがストレスだったのかなあ。
足腰はだいぶ良くなったし、「近所の人が行っている」と言っていた
デイサービスに切り替えようかなあ。
次の日、かかりつけのお医者さんの診察を受けて、
総合病院に精密検査に行くよう言われました。
病院受診した結果を、息子さんから聞きました。
「胃にガンが見つかったみたいです。
でも、手術すれば治るらしい。」
あ~、良かった。
良くないけど、診察してもらって良かった。
嘔吐があったことを心理的な面から探るのは、
やめましょう。
きちんと診察を受けてからにしてね。
(えっ、当たり前?)
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