(前回はこちら 。)
事情が飲み込めたあの日から、2週間後のこと。
そのケアマネが新しい情報を教えてくれました。
この前、おじいさんと話をする機会があったんだ。
「おじいさん。息子さんたちといっしょにご飯を食べてるけど、どお?」って、聞いてみたんだ。
おじいさんはすぐ答えてくれたよ。
「ほんとに世話になっとる。息子たちが頼りだけ。」って。
「えっ!?」と思ったよ。
まだ、施設のことは聞いてないみたいだった。
その足で息子さんのところに行ってな、
「おじいさん、こんなこと言ってましたよ」って、報告したんだ。
息子さん、意外そうな顔をして、
「え~、そんなこと言ってましたか。」って言ったよ。
嫁さんは「ほんとうですかあ。」って、少し疑ってたけどね。
そのあと、息子が「それは施設のことを考え直せ、ということですか?」って言うから、「知り合いのケアマネと話をして「認知症もないのに施設、っていうのは、かわいそうじゃないか」って言われたんです。」って言ったんだ。
息子さんは少し考えたけど、
「施設からも「今、ちょうど空いているから、今入っておかないと、今度いつ入れるか分かりませんよ。」って言われているし、認知症が進むのも心配だから。」って言った。
だから、施設はまぬがれんかったわ。
なんとも言えず、私も「そうかあ。」とだけ返して、別れました。
やがて、施設に入る日が来て、
前日に息子から話をされたおじいさんは、
それでも納得して施設に行ったそうです。
お爺さんの妄想は、たぶん夏場の脱水が原因だったかもしれません。
夏が終わり、涼しくなって、脱水が治って
物事をきちんと理解できて。
今日、ほんとうにたまたま、仕事で車を走らせてたら、
虹が半円で見えたんだよね。
めずらしいでしょ。
今は別々に暮らすことになった
頑固じいさんと息子さんだけど、
距離ができて、反対にうまくいくこともあるから。
いつか、そうなることを願うだけです。
(おわり。)
「記事、よかった!」という方、クリックを。