「福祉系による福祉系のための医学」。
前回まで、消化の仕組みをみていきました。
いよいよ、栄養が体の中に入っていく仕組みを書きたいと思いますが、
調べてみると、なんだか難しいのです。
体の中に入っていく仕組みを書く前に、
栄養素のことを勉強しないと分かりにくいな、ということを思いましたので、
しばらく「栄養素」について、書きたいと思います。
体に必要な三大栄養素って、みなさんすぐに思い浮かびますか?
思い浮かぶ人は素晴らしいと思いますね。
そうでもない?私は今だったら言えますけど、勉強する前は分かりませんでした。
これって、私だけじゃないみたいですよ。
隣で仕事している山本(仮名)くんは、
ブドウ糖、炭水化物、アミノ酸、って答えましたよ。
もちろん、「ブ~!」ですね。
聞いたことはあるんだけれども、意外と把握していない栄養素。
説明していきましょう。
栄養素の役割を大きく3つに分けてみると、
① 体のエネルギーとなる
② 体を作る
③ ①・②の働きをする栄養素をスムーズに利用するために、体の仕組みを整えると考えてください。
そして、①体のエネルギーとなる代表的なものは「糖質」です。
糖質は肥満の元凶のように思われて嫌われますが、
体を動かすエネルギーなので、とても大切です。
脳・神経細胞・血液細胞は糖質をエネルギー源にしています。
とくに脳は糖質をエネルギーにしていますから、
これが不足すると頭が働かなくなります。
NHKの「ためしてガッテン」で、糖質が不足すると
脳が「飢餓状態」と認識して、脂肪を貯め込むように指令を出す。
そうするとかえって肥満を促すことになる、
という放送をしていました。
(その時の放送はこちら
。)
さて、糖質のなかで、一番小さい単位の呼び名は、
「単糖類」と呼んでいます。
ブドウ糖、果糖(果物)などがあります。
ブドウ糖のことをグルコースとも呼びます。
単糖類が2つつながったものを「二糖類」、
もっとつながったものを「多糖類」と呼びます。
「二糖類」の代表が砂糖。
「多糖類」の代表がでんぷんなどです。
多糖類は10~1000個の単糖類が集まったものだそうです。
体内に入るには単糖類にしてからでないといけません。
多糖類から単糖類へすること。
これが消化の目的です。
ご飯をよく噛んでいると少し甘みが出てくる、
というのを感じた人もあるかと思います。
あれは「炭水化物が砕かれて単糖類に近づいた」
ということなのですね。
ご飯とパンとを比べると、どちらが腹持ちがよいと感じますか?
「ご飯」という人が多いと思うのですが、
炭水化物は細かくなればなるほど、吸収が速いです。
パンは小麦で、ご飯よりも細かいので速く吸収する、
そのためすぐに腹が減る、ということなのだそうです。
ですから、糖尿病患者さんで低血糖で倒れた人には、
速く糖分を吸収させるためにアメや砂糖を補給しますね。
間違ってもご飯を食べさせちゃあダメですよ。
消化を待てませんからね。
ちなみに、低血糖はとても怖いことです。
さきほど「脳・神経細胞は糖質をエネルギーにしている」と書きましたが、
これが不足すると意識がなくなり、
それが持続すると神経細胞の障害が起こり、
最後には死に至るほど怖いのです。
低血糖症状に出会ったら、
すぐにブドウ糖(ジュース、砂糖、アメなど)を補給して、安静にしましょう。
もちろん、主治医にも連絡を。
「空腹時血糖値80~110mg/dl未満、
食後2時間血糖値80~140mg/dl未満が正常値です」、クリックを。

