胃は食べ物を貯めるところ、と書きました。
ただの食べ物の倉庫、ということではありません。
胃からは胃液というものが出ています。
では胃液って、なんであんなに酸っぱいかご存じですか。
胃液はどんな働きをしているか、という話をします。
食べ物は口から入ります。体の外から入ります。
外から入る物には雑菌がたくさん入っています。
食べる物はきれいにしてありますが、
雑菌はゼロ、ということはありません。
そして、胃の中は一定の温度があり、水分もあり、
雑菌が繁殖するには絶好の場所です。
雑菌たちが胃の中で繁殖したらどうなるでしょう。
下痢や嘔吐など体に異変が生じ、病気になってしまいます。
雑菌を防ぐのが胃液の役割です。
胃液は大変強い酸性です。胃酸、と言いますね。
この胃酸が雑菌の繁殖を防ぐわけです。
胃酸と同じ役目をする調味料があります。
みなさんご存じ、お酢です。
お酢は食べ物を保存するときに使いますね。
あれと同じ役割を胃液が行っているのです。
胃散の量が低下すると、食べ物が腐って消化が悪くなるそうです。
これを慢性胃炎といいます。
では、胃酸はなぜ、胃を溶かさないのでしょうか。
胃液の中には、雑菌を繁殖させない胃酸と
胃を守る粘液を出しています。
粘液は胃酸を中性にする役割を持っています。
そのために胃は溶けないのです。
しかし、胃液と粘液のバランスが崩れると、
胃潰瘍(いかいよう)を起こします。
バランスが崩れる、とは、粘液を出す量が低下する、
あるいは胃酸が増えるということです。
バランスを崩す原因にはストレスなどがあります。
胃酸の量が少なくなると慢性胃炎、
粘液の量が少なくなると胃潰瘍。
その絶妙なバランスをとりながら、
胃は働いているのですね。
ピロリ菌って、ご存じですか。
雑菌を殺すために胃液の中には胃酸が含まれています。
ほとんどの雑菌はこの胃酸で殺すことができますが、
唯一(といっても良いのかな)、
ピロリ菌は胃の中で生きていられます。
どうも体からアンモニアを出して
胃酸を中性にしてしまうようです。
ピロリ菌は胃潰瘍などの病気を引き起こす
やっかいな菌といわれています。
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