食べること。最後は「食べる姿勢」について、

考えてみましょう。


よく、小さい頃は「良い姿勢で食べなさい」、

と躾けられたものです。

「良い姿勢」というのは、見た目も美しいですし、

精神的にもピリッとした気持ちになります。

良い姿勢、というものを意識しましょう。


食べるときの良い姿勢は、

何も特別なことではありません。

私たちが食べている姿勢が一番良いのではないでしょうか。


と言って、

ふんぞり返って食べる、

立ってウロウロしながら食べる、

なんてことをいつもしている人はないでしょうな(*゚.゚)ゞ


よく私が子どもたちに言うのは、

背もたれに背中をベタッとくっつけて食べているときです。

「背筋を伸ばして食べなさい。」とよく言います。

高齢者だって同じことです。

背もたれにもたれかかって食べる、

おしりが前の方にずって顎が上に向いている、

こんな姿勢は×です。

きれいな端座位(普通に座った状態です)で、

顎を少し引いて食べる。


座面が高い時、足が届かないと座位が安定しませんから、

台を置いて足がブラブラしないように

工夫することも必要です。

顔は少し下向きぐらいなほうがよいです。

顎を少し引く、ということは、

介助する人は上からスプーンを持って介助するのは×です。

顔が上を向いてしまいますから。

上を向いてつばを飲み込んでみましょう。

顎を引いて飲み込むより難しいはずです。


ちなみに、飲み込むときは口を閉じないと飲み込めません

試しにやってみましょう。

(誤嚥しないように^^)


それと、脳卒中で半分麻痺のある方。

嚥下機能が障害されていない方から飲み込むと良いそうです。


また、寝たきりの方はベッド上で食べている人もありますが、

できる限り、ベッドから足を降ろして端座位で。


端座位ではグタッとなってしまう人は、

ファーラー位で食べることになりますが、

ファーラー位というのは、臥位(寝た状態)と

端座位の中間あたり、角度でいうと45度ぐらいの角度です。


この角度ではちょっときつい、という人は、

セミファーラー位というのもあります。セミファーラー位というのは、

ファーラー位と臥位の中間あたりの角度のことを言います。


どうしてこの姿勢がよいかというと、

食べ物が食道を滑り台のように滑っていく角度だからです。

でもこうなると「食べる」というよりも、「流し込む」という感じですね。


ちなみに、ファーラー位などで食べるときも

膝は曲げた方が良いそうです。

どんなときでも、食べるときは体の前側は伸びた状態にならないこと。

これ、大事だそうですよ。



さらにこんなのも。

端座位がとれない人用に座ろうくん という福祉用具があります。

おすすめです。