今度は食事の形態を考えてみます。
施設にはいろいろな種類の食事形態があります。
呼び方はそれぞれの施設によって違うようですが、
代表的なものは、普通食・刻み食・ミキサー食などです。
これらの食事形態は
その人の状況に応じて使い分けられるのですが、
うまい具合に使い分けられているか、疑問に思うこともあります。
しかし、それは事業所が怠慢になっている、
ということではなく、
食事形態を考えるのは難しいものである裏返しであると思います。
食事形態を決める方法は、言うまでもなくアセスメントです。
制度的にも、食べることへのアセスメントは奨励されています。
では、どんな人には、どんな食形態がふさわしいでしょうか…。
実は、私も自信がありません。
実践がないいからです。
でも、必要に迫られたら、何とかしないと。
そこで、「専門職に聞け!」の登場です。
分からないことは聞くように習慣づけましょう。
以下は、専門職から聞いたことです。
何かしら、参考になれば幸いです。
まず考え方として、
食事を食べる行為を分けてみます。
①咀嚼、②食塊を作る、③嚥下の3とおりです。
どこに問題があるか、を評価します。
(強化の仕方は、以前の記事で書いたとおりです。)
まず、①咀嚼に問題がある場合。
咀嚼は食物を細かくする働きですので、それを代用する。
例えば刻み食です。あらかじめ刻んであるものを食べてもらう。
次に②食塊を作る。
ここに問題がある場合、こちらで飲み込める大きさのものを用意して、
食べてもらう。
その時に大事なのは、ムチンの役割を代用するものが必要になります。
滑りが良くするわけです。例えば、とろみです。
とろみをつけることは③嚥下に問題がある場合、にも有効です。
さて、ここで大きな問題にぶつかります。
嚥下機能の落ちている人に刻み食は良くない、という話です。
それはなぜか。刻み食は口の中でバラつくからです。
バラつくと、うまく食道に通過してくれないようです。
刻み食にとろみをつけてもあまり効果的ではないそうです。
薬などを飲むことをイメージしてください。
子どもに錠剤やカプセルを飲み込ますことは難しいですね。
なぜ、むずかしいか。
それは、固形の物とサラサラした水分とでは、
混ざることができないからです。
流れやすい物と流れにくい物とを一緒に飲み込むという行為は、
非常に難しいことだそうです。
ですから、水ではなく、
お薬ゼリーとか、ごはんとか、
固形の物と一緒にゴクン、と飲み込むほうがよっぽど飲み込みやすいのだそうです。
とにかく、適当な大きさがないと飲み込みにくい、
ということを覚えておいてください。
嚥下機能の落ちている人には、まず柔らかくした食べ物
(よく煮込んだもの)が良いそうです。
それが無理ならミキサー食に。
さらに、ミキサーしたものをゼリーで混ぜて滑りやすさを良くする方法もあるようです。
それと、もうひとつ。
ミキサー食は見た目もあまり良くない場合が多いので、
最近はソフト食、といって、見た目もおいしそうな工夫がされています。
しかし、私は本物をみたことがないのですが、
写真を見る限り、これは相当の技術の必要なものだという認識です。
興味のある方はこちらをご覧になってください。
以上、お役に立てば。