腎臓には、体中でつくり出された老廃物を水分に混ぜて捨てる役割があります。
腎機能が衰えて老廃物を濃縮する力が弱ると薄いおしっこを多量に出すことになる。
それが「歳を取るとおしっこが近くなる。」ということの理由の一つです。
おしっこが出る人はまだ良いです。
腎臓が働かなくなって、おしっこが出にくくなる人もいます。
こういう人を「腎不全(腎臓の働きが悪い)」といいます。
腎不全をそのままほおっておくと、老廃物が捨てられなくなり、
体中に回って尿毒症という病気で死に至ります。そうなる前の治療法を紹介します。
基本的に腎不全を根本治療する、ということは出来ません。
薬や注射で治る、というものではありません。
では、どうするか。
目指すのは、
今以上に悪くならないようにする、
少しでも良い状態を保つ、
合併症を予防する、
という保存療法が中心になります。
主なものは、①食事療法、②運動の制限、③薬物療法です。
このうち、②運動の制限ですが、高齢者ではアスリートのような運動は出来ませんので、特別に制限が必要な人はほとんどいない、といって良いと思います。
高齢者の場合は、安静にしてかえって廃用症候群になる方が害だと思います。