自覚症状は、初期の頃はほとんど見られません。
始めに気づくことは排尿回数が多くなることで、
夜間にたびたびトイレに起きたりします。
これは、尿細管の働きが悪くなって、
尿を濃縮する力(再吸収する力)が低下したためで、
水分の排泄はむしろ増えるからです。
やがて尿が出にくくなると、
水分やナトリウムの排泄が悪くなり高血圧を起こします。
また、カリウムの排泄も悪くなり、
血液中にカリウムがたまります(高カリウム血症)。
電解質異常、高血圧、貧血などが起こると、
だるい、頭痛、無気力、めまいなど体の変調を来します。
手指のしびれ、筋力の低下・つれ、口渇、食欲不振なども起こります。
また顔や手足がむくんでくることにも注意が必要です。
水分がうまく排泄されないためです。
足のすねを10秒程度押さえ、離してみて、
戻らなかったら浮腫と呼んでも良いでしょう。
急な体重増加も浮腫が原因だった、ということもあります。
体重測定も欠かせません。
「最近、元気がないなあ」などの体調不良があり、
おしっこがたくさん出る、
トイレに行く回数が異常に多い、
反対に出なくなった、
顔や手足が浮腫(ふしゅ)っている、
などが気になるようであれば、
泌尿器科の門を叩くことをオススメします。
おしっこの量は個人差がありますが、
目安として1.5~1.8㍑を目安にしましょう。
(詳細はこちら
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血液検査をすると
尿素窒素(BUN)(正常値;8.0~22.0)、
クレアチニン(正常値;0.61~1.04)、
カリウム(正常値3.5~5.0)
などの値が正常値を越えてきます。
腎機能が30%以下になると、尿酸やリンなども血液中に増加してきます。
この頃になると慢性腎不全と診断されます。
そして10%以下になると、透析治療が必要になってきます。
次回は、治療について書いてみたいと思います。