こんなことがありました。




そのおばあさんは、

一日ごとに2つのデイサービスを利用して週6日通っています。

ひとつは、近くの気楽庵デイサービス(仮称)。

もうひとつは知り合いのいるデイサービスしあわせ(仮称)。




そのおばあさんは、水分をあまり飲みたがりません。
それでもなんとか、気楽庵では800㎜㍑飲んでもらっています。

しあわせではどうしても飲んでもらうことができずに苦心しています。

飲んでもらわないと休みの日曜日に熱が出てしまうのです。




何とかしないといけないと思い、気楽庵での工夫をしあわせに伝えました。

その工夫とは、

「少し温かい牛乳に砂糖を入れて飲んでもらうこと」

です。




ある日曜日の夜。

家族から私の所に電話がかかってきました。

「熱が高いのだが、どうしたらよいだろう。」と。

とりあえず定期受診している病院から出ている座薬があるので、

それで様子を見る、と家族はいいました。




次の日、病院を受診されましたが、

肺炎などの炎症症状もなく、そのまま帰りました。


そして帰るときに、娘さんはポツリとこう言ったのです。

「しあわせには出さずにしばらく家で看るわ。」

と。




実は、受診される前にしあわせに電話をしました。

土曜日の日にどれだけ飲んでもらえたか、と。

「頑張ってみたんですけど、やっぱり飲んでもらえなかったんです。」

と、管理者は言いました。



そのことをお医者さんに伝えると、

「脱水かもしれませんね。」と言われました。







娘さんは、しあわせに落胆したのでしょうか。








帰ってから、しあわせにデイサービスを休まれることを伝えました。

すると、管理者さんは言いました。


「気楽庵では、どうやって飲んでおられるんでしょうか。

牛乳に砂糖を入れる事は聞いたけど、それで本当に飲めるんですか。」

と。



私はビックリして、「試してないんですか。」と聞き返しました。



そのやりとりで、ハッとされたのでしょうか。

「すみません、今度やってみます。」

とだけ言われて、電話を切りました。



……休みの日に、急に熱を出して、

しんどいおばあさんと慌てる家族。

長い夜だっただったろうなあ、と申し訳ない気持ちでいっぱいでした。



しあわせの姿勢にがっかりしたのと、

私ももっと切実な言い方で、

水分を飲んでもらうように伝えればよかったなあ、と後悔しました。