(前回の話はこちら。)



脱水になった場合、どんな症状が現れるでしょう。


脱水になると尿量が減ります。

汗も出にくくなります。そうすると微熱が出ます。

人間の体温は、中心部で38度くらいあります。

この熱をうまく外に捨てないと、中心体温がどんどん上がってしまいます。

中心体温が逃がせない状態が熱中症です。


体温が42度を超えると細胞が死んでいってしまいます。

脇の下で測る体温が36.5度くらいなのは、

汗によって熱を捨てていった後の温度です。

汗が十分に出ないと熱を逃がすことができないので、

熱が出るわけです。



高齢者の場合、元々の体温が低い場合が多いので

(代謝が悪いせいでしょうか)、

36.5度程度でも微熱と考えたほうが良いようです。


そして、皮膚が乾燥します。

脱水かどうか調べるために一番手っ取り早い方法は、

脇の下を触ってみる方法が良いようです。


いつも湿っている部分が乾燥していると注意が必要です。

脇の下がサラサラしていると脱水が考えられます。

検温の時に何気なく触ってみるとよいと思います。




でも、くすぐったくなるほど触っちゃダメですけどね^^




その他湿っているところと言えば、

口腔内があります。


乾く・唾液が少なくなると、口腔内に雑菌が繁殖して、

やがて肺の中に落ちていって肺炎を起こす、というケースもあります。


認知力の問題になると、

まず覚醒水準が下がります。ボーッとしてしまいます。

うとうと傾眠状態にもなります。


さらに進むと、うわ言、せん妄状態などの

精神症状も出てくる場合もあります。

認知症症状が出ている人が実は脱水だった、という人もあります。


脱水症に気づかなければ、早ければ4~5日で亡くなるそうです。

断食をしているお坊さんが、

食事は摂らなくても、水分だけは摂っている例が

何よりの証拠です。





脱水は死を招くのです。





脱水のつらさを私たちも身近に味わっています。

それは二日酔いです。

二日酔いは、頭痛、吐き気をもよおします。

これは、先ほど言った脱水症の症状と同じです。


アルコールが分解されていない、

ということもあるかも知れませんが、

たいてい、朝起きたときに数杯水を飲むと

午前中には二日酔いも改善されます。


できれば、アルコールを飲む前に

水を飲むと良いかも知れません。

でも、喉が渇いて「さあ、ビールでも」というときに、

水は飲みたくありませんがね…(;^_^A。


ちなみにアルコールは水分のうちに入りません。

アルコールは飲んだ分だけ、

おしっこになって出る(利尿作用がある)からです。


同じく利尿作用があると言われるコーヒーは、

アルコールほどではないので水分換算しても良いようです。

一方、スイカなどの水分の多い食べ物も

多少は水分量がアップしますが、

純粋に水分としては換算しないほうが良いでしょう。