「おしっこは飲んだ水分の量だけ出る」ということを前回お話しました。




出るおしっこの最低量は一日800mlです。お医者さんが、心不全の患者さんなどの水分制限を「800ml」とすることが多いのは、一般成人が体の中の老廃物を捨てるのに必要最低限の量だから、だと私は思っています。





では、800ml飲めば足りるか、といえばそうではありません。その理由を3つ挙げてみます。


 運動をした、暑い日だった、などで汗の量が増えたとき、必然的に取る水分量も増やさなければいけません。


 高齢者は筋肉量が少なく、水分を貯蔵している量が少ないので、いざ水分が必要になったときに対応できない。(詳しくはこちら 。)


 高齢者は、腎臓の機能が成人より衰えているために、老廃物を濃縮する力が弱くなっています。そのために同じ量の老廃物を捨てるためにはおしっこの量を増やさなければいけないのです。高齢者のトイレが近いのは、おしっこの量を多くしなければいけないからです。「薄いおしっこがたくさん出る」という感じでしょうか。




それ以外の利用者さんは、腎機能の低下のことを考えて1,000mlはひとつの目安にしたほうがよいと思います。それにプラスして、高齢者は筋肉が少なく、水分を貯めることが苦手なので、300~500mlはプラスして、1日だいたい1,300ml~1,500mlは飲んでいただく必要があると思います。暑い日はもう少し多めでも良いかも。

(ちなみに量の単位、ml=ccです。)



気をつけたいことは、心不全、腎不全などの病名がついている利用者さんは、水分の循環がうまくいかない人ですから、お医者さんの指示を仰がなければいけない、ということです。反対に、それ以外の人は制限がないと考えて、せっせと水分摂取に努める必要があります。




一日1,500mlって、意外に多いですよ。皆さんも、自分が一日にどれだけ水分を取っているか、一度確かめてみてはいかがでしょうかv(^-^)v






前回の話はこちら 。)