ヒトの体の中の水分(体液)の成分を見てみます。



体液には電解質が多く含まれています。電解質とは、水に溶けてイオンとなる(通電性を持つ)物質のことで、ナトリウム、塩素(クロール)、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれています。



細胞外液にはナトリウムとクロール、つまり食塩水、細胞内液にはカリウムが多く、ナトリウムは少なくなっています。

体を維持するためには、塩を始めとする電解質を食べ物や飲み物から供給しています。






この体液の濃度は一定で、薄くなると尿などで排出し、濃くなると脳が水分を欲する指令を出します。







実は、これら電解質の含まれた水分(体液)は、太古の海水の成分と一緒だと言われています。





生物が海から誕生したことは皆さん周知の事実です。

何もない海から生物が誕生したとき、タンパク質と遺伝子とを細胞膜で包んだときに、海水も一緒に包んでいるはずです。それが細胞内液となり、そのときの海が細胞外液といえるのです。






つまり、ヒトは陸に上がって生活を始めても、体の中に太古の海を一人ひとり持っている。ヒトだけじゃない。この世の生物全てが同じように太古の海を包有している。





すごいロマンだと思いませんか。





太古の海は生命誕生の母ですから、これが損なわれたとき、生物は危機状況に陥ります。