今日のタイトルは、
私が結婚式を控えている新郎・新婦さんとの
打合せの場でよく伝えていることなんです。
結婚式は新郎・新婦さんの想いや、
集ってくださる方の想いが数多く交錯する
あったかくて優しい時間です。
そんな場で、進行の舵取りをする司会者。
新郎・新婦さんの想いを伝えたり、
その場の空気感を言葉にしたり、
新郎・新婦さんに代わって
想いを届ける代弁者としての役割を担う
そんな側面の強い存在です。
私ね、思うんです。
司会者を必要とする場面は
数多くありますが、
中でも結婚式は別格なんじゃないかと。
結婚式って、思ったよりも多くの
感情が溢れ出すんですよ。
時には、こちらの想定とは異なることも
起こり得る空間でもあります。
だからこそ、
『今、ここに集っている人は
どんなことを感じている?』
ということを常にアンテナを張り巡らせて、
私は結婚式の場に身をおくことを
心掛けているんです。
ありゃ・・・
どんどん話が抽象的になっちゃいましたね。
具体的な話を一つ。
先日司会を担当した新婦さん。
ゲストの前で「花嫁の手紙」は
読まないと決めていました。
その代わり
「家族だけの空間で想いを伝えたい」
という強い想いを持っていたんです。
そこで新婦さんが望んだことが、
挙式前に親御様に晴れ姿をお披露目する
『ファミリーミート』の場で、
手紙を読んで感謝を伝えたい、
ということだったんです。
「披露宴内で手紙を読まないって
私のエゴですかね。
両親への手紙を人前で読むことに
なんだか抵抗があるんです。
個人的なことだし、
変に気を遣わずに両親に素直な
感謝の気持ちを伝えたくて。
自分の結婚式で違和感を
感じることはしたくないんです。」
と、素直な気持ちを話してくれたんです。
披露宴で手紙を読まない新婦さん、
もちろんたくさんいらっしゃいます。
でも、この新婦さんは、
両親の前でだけ手紙を読むことに対して
罪悪感を感じていたんです。
そこで私は、今日のタイトルの一言を
この新婦さんに伝えました。
『もしよければ、
ご両親への花束贈呈の前に司会の私から、
皆さまの前では過度に緊張してしまうので
挙式前のファミリーミートで
新婦からご両親に手紙を読んだことの
経緯をサラッと話しましょうか?
遠慮なく、司会者を使い倒してください!』
と、お伝えしてみました。
この言葉に新婦さんはホッとされたようで、
私の申し出を快諾してくださいました。
結婚式当日。
披露宴のお開き前に、
両家両親への花束贈呈の前に
司会者の私から手紙の件について
アナウンスを入れました。
そしてお開きの後に流した、
当日の様子を編集したエンドロールの中に
それはそれはいい表情で新婦さんの手紙に
耳を傾けるご両親の表情も盛り込まれていました。
新婦さんが披露宴内で手紙を読まないこと。
そのことに関して異論を唱えるゲストは
いないかと思います。
とはいえ、司会者のちょっとした
経緯の紹介があったことで、
ゲストもすんなり新婦さんの想いを
汲み取る事ができたんじゃないかと
思うんですよね。
結婚式における司会者は、
新郎新婦さんの想いの代弁者。
これから結婚式という新郎・新婦さん。
ぜひ、司会者を使い倒してくださいね。
本日も結びまでお読みいただいて
ありがとうございます。