それぞれの結婚式には、
新郎新婦さんの人生が
ギュッと詰め込まれています。
そんな結婚式に、新郎新婦さんに
とって大切な存在の方が、
すでに亡くなっていて
その場にいらっしゃらない
ということもあります。
以前司会をさせていただいた
新郎新婦さん。
新婦さんをとても可愛がってくれた、
大好きなお祖母様が、結婚式2カ月前に
亡くなってしまいました。
予定通りに結婚式をするか、
かなり迷ったという新婦さん。
お祖母様は、新婦さんの花嫁姿を
見るのを楽しみにされていたそう。
その思いを誰よりも知っていた
新婦さんは、予定通り結婚式を
挙げることを決意。
迎えた結婚式当日。
お祖母様の席もきちんと用意し、
そこに写真を置かれました。
私は、見えないものが見えたり、
聞こえたりという感性はあいにく
持ち合わせていません。
でも、この新郎新婦さんの結婚式では、
常に誰かに見守ってもらえているような
感覚を司会をしながら強く感じたのです。
披露宴がお開きとなった後、
私が感じたことをお話したら、
新婦さんも同じように、
そこにいないはずのお祖母様が
ずっと見守ってくれる感じが
していたと涙を流して話して
くれました。
こういう結婚式に立ち会わせて
いただくと、その場にいなくても
大切な人が見守ってくれている
という理屈では語れないことを
目の当たりにします。
色んな人の思いが一つの空間に
凝縮される結婚式。
たくさんの結婚式のお手伝いを
すればするほど、大切な人の
思いをさり気なく汲み取れる
司会者でありたいと強く強く
感じます。
だからこそ私は、結婚式がたまらなく
大好きで、そこに関われることに
生きがいを感じるのかもしれません。