いかーん!このままではたるんだカラダのまま2023が終わり、2024も暮れてゆくのでは⁈いつもの焦りが襲ってくる。

いやだああ。

私の目標はフルマラソン完走なのだ。このままずるずるとなかったことにはしたくない。いきなり走り込みとかはムリにせよ、何か運動量を増やす方法はないか…

お。

ふと思いついた!ゴミ拾いってどうだろう。

私って天才かも

いつもやりっぱなしになってはいるが、ふと思いついて行動に移すまでの速さは成功している著名人のソレに負けてない。

よし、やろう。

私をインスパイアしてくれたのは(自己啓発系ワードを混ぜ込んでみました)テレビで観たスポゴミ、すなわちスポーツゴミ拾いの様子と自発的に町内のゴミをリヤカーで集めて回る父子の奮闘ぶりだった。

視聴中は特にこれといって感想は浮かばなかったが、なんだか気になってしっかり観てしまった。

子供に、ゴミを拾う事の大切さを教えたいんです。

参加するまではこんな競技がある事は知らなくて

天候に関係なく海のゴミを拾って来たので、雨が降ったら勝てるんじゃないかと

サカナが好きだから、海をきれいに、したい

一人一人のコメントがすごく印象的だった。いいとか悪いとか好きとかキライとかじゃなくてただ心に残った。

ゴミ拾いしてカラダを動かそう、と考えついた翌日、私はレジ袋とゴミばさみをつかんで外に出た。

ええと。

何から始めて良いかわからずテキトーに歩いて行くと、捨てられた、というよりうっかり落とした、といった感じの紙ごみ発見。

よっと。

袋に入れるとなぜかニンマリした。せっかくこうして出動したのに手ぶらは嫌だし。

しかし…あのゴミピッカー達は一体何者なんだ?頭を使って安全に早くポイントの高いゴミを狙ったり、貴重な時間と体力を使って街の清掃に励んだり。ナゾでしかない。街のためとか道徳にのっとってとか、一般論は浮かぶのだが、実際フツーに見える彼らがそれにハマる理由ってなんだかわからない。

そうか。これこそが私がゴミを拾ってみようと考えついた真の理由だし、結構しっかり特集を観たのに全く自分の意見が浮かばなかったのもこれが原因だ。

私は、彼らとは違う人種なのであり、彼らは私とは違う人種だから全く考え方が理解できないのだ。

なのに、無性に彼らと同じ人種になりたい!と私はどこかで思っていたのだろう。たったひとつゴミを拾った事で、私はそれを実感し、幸せを噛みしめた。

自分が歩けば街がキレイになるだなんて、なんてスゴイんだろう。特別な才能でスゴイ発明をしたり、絶世の美貌で半径5メートルを照らし出したりしないと世の中を良くすることは無理なんだと諦めていた自分を笑った。

簡単な事さ。

ゴミを拾えばいいだけだ。

…これはスゴイ!

すっかり夢中になり、もっともっとと、20 分くらい歩いて離れた公園に行き、お菓子の袋などを見つけては歓喜した。

何してるの?

可愛い声がして顔を上げると、お父さんに手を引かれた小さな女の子が立ち止まってパパの顔を見上げている。

お姉さんはね、ゴミを拾ってるんだよ

なんで拾うの?

いい事だからだよ

急ぎ足に道路を渡る親子の背中をふと見やり、つぶやく。

いい事?

そうか。私はいい人になりたいのかな。それにしても。

お姉さん?

なんて素晴らしいお父さんなんだ!それと…「いい事」をしていると若く見えるのかな?

すっかり気をよくした私はだんだん技術を磨いてあっという間に袋がいっぱいになった。

よしと。

今日はゴミ出しの日。我が家のゴミ袋の上の方の隙間に町内のゴミを押し込み、ゴミステーションに出した。

ああ、なんて良い日なんだ。

私も彼らと同じ人種になれそうな気がして来た。

ああ、次のゴミ出しの日が楽しみだ

スポゴミのルールには
・他人の私有地に入らない
・走らない
というのがあるが、この二つと
・周りを見て、人や自転車、自動車などの通行を妨げない
という事さえ守っていれば安全で自由で、誰でも楽しめる活動なのではないだろうか。

私の場合一人で細々とやるのでスポーツとは呼べないかもしれないが、タイムを決めて、袋いっぱいになるまで、など目標を設定すれば十分スポーツ性は生まれるのではないだろうか。

当たり前だがゴミ出しに行くような格好でOKだし、軍手とゴミばさみ、ゴミ袋が装備の全て。他にこんな手軽で自由なスポーツってあるだろうか。

これからはゴミ出しの火曜日と金曜日はおひとり様スポゴミを楽しみながら贅肉もゴミ出ししてやろっと😆