読めん。読めない。読めそうで大体間違えてる。何とかならんか英検1級長文😭


そもそもさあ、英検の長文てセカイの歴史多すぎ。バイキングの拠点とか、南北戦争の英雄とか、古代バビロニアでの儀式とか、


知るわけないやんか!誰が知ってるん、フツー。


怒りをあらわにする愚かな鐡子。


いや…いたなそういえば。


過去の生徒さんに世界史満点近い男の子がいた。


あれ…そういえばあの子も。うんと前に担当した女の子もそうだった。さらには同級生にもいた、世界史90点いかなかったって悔しがってる子。彼らなら、単語のイミがわからなくても何とか読めるんじゃないだろうか。というより、「あー、アレね。なるほど」と楽しく読み進められるのでは。


マズい。


もしかして私には初めから英検1級用の素地が欠落してるのでは?よく考えたらセカイにキョーミ持たない人間をセカイが必要とするわけないよね。


ガビーン。


チャレンジ30年目にして気づく愚かなヤツ。


うええ😭曲がりなりにも塾で日本史を担当して周りには歴女とか、スゲー歴史詳しいとか言われてたのにい。


確かに頑張っていろいろ調べたりして年々詳しくはなっていったが、それは世界史の中の「ニッポン」限定。突っ込んだ世界史トピックの長文に立ち向かえるはずもなく、ゼロからの読み解きになるのは必然だった。


あああ、気づくの遅かった。常々、生徒さんには


やはり、知識が英語長文読解にはモノを言います。もし、


キジ pheasant


を英語で知らなくてもそれが桃太郎のお話だと知っていれば迷わず読み進められますよね。


とかぶち上げてたのはダレだ!


はあ。もう逃げ切れないのかな。やるしかないかな、世界史。正直、元々歴史全般キライで、高校の時はどちらかと言えば日本語だからマシか?のノリで日本史を選択し、それもセンター試験は100点中30点台で通常運転だった。


 社会人になり仕事にあぶれ、飲食店バイトとカテキョーと塾講師で何とかやっていこうとした時、「英語だけ、じゃあ…お仕事紹介は難しいですねー」と担当者に言われて必死で勉強して教えられる科目を増やした。そのひとつが日本史だった。


自分の頑張りに胸を張るどころか、鐡子は昔の自分をおもい出し激しく落ち込んだ。


私はハナから偏ったいびつなセーカクで、勉強内容も偏ってて、だから何やっても壁にぶつかんだあああ😭


ううう。冷め切ったコーヒーが残るカップの内側にはくすんだコーヒーあとが白い陶器を汚しており、その残念さ加減がまるで自分みたい…と思わず泣けて来た。最近なんだかうまくいかず追い詰められていたのだ。ハンカチを取り出し目に押し当てる。


新作のロースト、ぜひお試しください。


いつものお姉さんがさっとテイスティングカップを置いてくれて我に返る。オシャレなカフェでやる事じゃなかったな。しかし…


私ってなんでいつもこうやってバカなことばっか考えて感傷に浸って限りある命をけずるんだろう。単なるマイナス増幅機じゃんか。


あ、ありがとうございます


苦みのあるローストコーヒーをグッと飲み干し、私は立ち上がった。


やるぞ、世界史。


そうだ。私は、鐡子。日本のものづくりの素晴らしさをセカイに発信するのが夢なんじゃなかったっけ。ムダにしてる時間なんてないはずだ。


2階の本屋へ歩き出しながら、私は昔出会った中学生の女の子を思い出していた。


初めて歴史を教える事になった日。私は1か月かけ年号カードを120枚暗記し、教科書を読み込んでのぞんだ。


歴史、大キライなんだって?大丈夫、コツがあるんだよ。私も大っ嫌いで30点くらいしか取れなかったけどなんか今面白くなってきたんだよ。


必死でパフォーマンスして課題プリントを仕上げたあたりで、その子が言った一言がよみがえってきた。


先生の歴史の授業さ、学校のと全然違うね。


ギクリとした私は、思わず顔を上げてその子を見た。


やっぱりダメだったかな、付け焼き刃。私にはやっぱり…


その懸念を遮るように明るく投げかけられたあの一言。


先生の歴史、すごく面白くて、これならできそう。


本屋に入った私は、世界史の本を手に取ろうとして、また涙を拭った。


そう、私は中学の歴史から全部やり直して上がってきた。世界史だってゼロからやればいい。きっと、できるはず。