夏がやっと終わりに近づいてきましたね。はこの亀谷です。
今年の目標の一つに本を書く。
というのがありまして、「負けない人生戦略」という本を書きました。
前回のやつは出版社さんの企画があって書いたんですが、今回はただただ自分の考えていることや、書きたいことを書きたかったのでPOD(Print On Demand)という形になっています。
内容的には独立してから「横浜国立大学」とか「多摩大学」の講義の箸休めにやっていた内容を、まとめてみました。
世の中、電脳世界まで社会が広がり、情報は片寄り、派手なことが強制的に目に入ってくるようになったからこそ、
「人生は自分のゴールに向けて粛々と生きるゲームである。」
ということを知り、ルールを整理して自分なりの戦略を考えておくことが大事です。そんな思いをただツラツラと書いています。
企画は去年の今頃くらいからやっていたのですが、そこから
山口周さんの「人生の経営戦略」
とか
佐藤航陽さんの「ゆるストイック」
とか同じような方向性の良書が発売されて、自分がこれ書く意味あるのかなぁとも思っていたんですが、まぁ、書きたいから書くかと思って書きあげました。
もしよろしければ、読んでもらえれば嬉しいです。
はじめにだけ、ここに載せておきますね。
負けない人生戦略 はじめに
あなたは人生で成功したいですか?
自分の人生、できれば成功したい。そう考えるのが当然だと思います。
成功したい。でも成功できる気はしない。
やりたいことはあるけれど、どうやっていいか分からない。
周囲を見渡せば、誰もが前に進んでいるように見える。
自分だけが止まっている気がする。
本書は、そんな普通な自分に葛藤するあなたのために書きました。
世の中には多くの成功者に見える人たちがSNSを利用して、自分たちの成功法則を発信しています。成功者は「これが自分の成功法則です」と語りますが、それは本人にとっての最適解であり、再現性があるとは限りません。それを“真似るだけ”で成功できるなら、誰もが億万長者になっているはずです。
ただ生きていく中で唯一全員に共通していることがあります。それは人生には「ルール」が存在するということです。ルールを理解して「ルールの中で何を目指すか」を決めて粛々と継続することができれば、必勝とまではいかなくても、あなたならではの「絶対に負けない生き方」にたどりつけます。
そもそも、人生に勝ち負けはありません。
社会の中で、人とつながり、生きていくことは必要ですが、誰かと比較して幸せを語ることに意味はありません。
メジャーリークの大スターである大谷翔平選手を見て、「あれこそが人生の勝ち組! 自分もあぁなりたい!」とはならないと思います。でもなぜかマスコミで、もてはやされている若き起業家やインフルエンサーと自分を比較したり、近くの同僚と比較したりして、どこかで負けている気分になってしまうことはあると思います。
そもそも「金持ちになる」「有名になる」ことが人生の目的ではないのに、成功していると世の中に定義されている人を見ると、今の自分が不甲斐なく思えて、がっかりしたりすることがあるかもしれません。
しかし、それは本当に勝ち負けなのか。一度考えてみてください。
人はつい、〝今〟ばかりを見て、他人と比較してしまい、〝今〟うまくやっている人を勝ち組だとうらやんで、人生には勝ち負けがあると感じてしまいます。
でも、それはすべて妄想に過ぎません。確かに、今を生きているこの瞬間、今の状況を比較してしまうことは仕方がないことですが、あなたの人生はあなたのものであり、今と未来は違います。
この本では、人生全体を俯瞰して、共通するルールを確認し、自分なりの負けない戦略を考えてもらえるように書きました。この本を読み終わったときには、自分なりの負けない人生を考えられるようになると思います。
思えば私は、生まれた瞬間から負けていました。
今は人生に勝ち負けなんてないとわかっていますが、障害を持って生まれ、ヤンキーばかりの地元で小学校時代を送り、そこから逃れて入った全寮制の中高では受験戦争が理解できませんでした。
社会人になっても一般的な社会のルールを守れずに、今は自分でルールを考えながら自らの会社を経営しています。
若い頃は、頭の良い同級生、要領の良い同僚など、軽々と成功して一流になっていく人を横目に、くやしい思いもしました。しかし、そんな葛藤をくり返す中で、至って普通な、誰でも実現できる「人生のルール」に気付いたのです。
この情報過多な世の中では、簡単に成功するような情報があふれていて、ついそちらに流れそうになるかもしれません。ただそこに騙されてはいけないのです。
自分ができることは、他人の成功物語にまどわされず、人生のルールを理解して、ただ自分の人生を生きることだけ。それこそが、本当の自由を手にする方法です。
誰もが自分の身体と時間を、いかに使い、いかに自分の人生を納得のいくものにできるのか。派手な花火を打ち上げなくたって、自分の人生を粛々と生きて、負けたと感じなければつまりは勝ち。そう考えられるようになれば、おのずと幸せを感じられるようになります。
何も考えずに、ただなんとなく華やかなストーリーをうらやんで終わるのか。人生のルールを理解して、負けない思考法を身につけるのか。どちらを選ぶか考えてみてください。
人生にあらかじめ用意された意味なんてありません。だからこそ、私たちは自分で自分の人生に意味を作ることが出来るのです。与えられた時間を使い、自分の納得いく形で“暇つぶし”をする。それこそが、生きる意味だと思うのです。死ぬときには何も持っていけないことを考えれば、生きているだけで丸儲けだと思いましょう。
人生のルールを理解し、社会の中で自分の時間と身体という資源を使って、人的資本・社会的資本・金融資本を運用すること。そして最後に与えられた時間と身体を使い切ること。それが、私がたどり着いた「負けない人生戦略」です。
わたし自身も他人と比較して苦しんだ時期もありました。まだまだもがきながら生きているときもあります。だからこそ、若いころには理解できなかった、どんな時にも、決して負けたと感じないこの思考法を多くの世代に伝えたい。そんな想いで、本書の執筆を始めました。
一発逆転するような、秒速で成功するような本ではないですが、どんな人にも使える人生戦略だと思っています。ぜひ、本書をきっかけにあなたが自分と向き合い、自分なりの「負けない人生」を手に入れてもらえれば幸いです。
亀谷 誠一郎