小2教科書のかけ算の構成(2の1) | メタメタの日

 来年度から使われる小2算数の教科書6社のかけ算の単元は次のようになっています。

全体は、

(1)導入  

(2)九九  

(3)まとめ 

の3部構成です。

 それぞれのページ数と内容は次の通りです。

(1)10ページ弱

かけ算の「定義」(もちろん本格的なものではありません)、かけ算の式の書き方、読み方など。

 遊園地で2人乗り、3人乗り、4人乗り、5人乗りの車それぞれ数台に乗っている絵が見開きであります。

 「かけ算は、おなじ数ずつのものが何こかあるとき、ぜんぶの数をもとめる計算です。」と、はっきり書いてあるのは、学校図書版。

 6社の内容をまとめると、次のようになります。

 「1台5人ずつの3台分で、15人です」を式で書くと、

   5×3=15   「五かける三は十五」と読みます。

 5は「1つ分の数」、3は「いくつ分」、15は「ぜんぶの数」です。

 5×3の答えは、5+5+5の計算でもとめられます。

(2)20数ページ

九九は、はじめに5の段、次に2の段から9の段までを小さい順に習います。2の段と5の段が逆の教科書もあります。9の段の後に1の段を習います。0の段は小3の初めです。

(3)10ページ弱

九九表(1から9の段まで)を見ながら、九九のきまりをいろいろ見つけます。

教科書ごとにいろいろ出てくる「きまり」を列記すると、次のようになります。

①かける数が1増えると答はかけられる数だけ増える。あるいは、かけられる数が1増えると答はかける数だけ増える。

②かける数とかけられる数を交換しても答は同じ。(乗法の交換法則)

③2の段の答と3の段の答を足すと5の段の答になる。これは、どの段についてもいえることで、一般的には、nの段の答とmの段の答を足すと(n+m)の段の答になるということですが、こういう文字を使った表現までは小2には期待してはいません。

④2×2、3×3、というように同じ数どうしをかけた答え(つまり二乗した数)が表の対角線上に並んでいる。

⑤表の対角線を折り目として同じ数が対称の位置にある。これは、②の交換法則を言い換えたことになります。

⑥5の段の答の一の位には、5と0が交互に並んでいる。

⑦9の段の答の一の位には、1から9までの数字が大きい方から順に全部出てくる。(10と互いに素の1と3と7の段にも、一の位に1から9までの数字が全部出てくるが、そこまで触れている教科書はありません。)

⑧表の4か所に出てくる数は、6,8,121824の5個で、3か所に出てくる数は、4,9,1636の4個。

以上のようなこと(内容までは提示していませんが)を子ども自身が自分で見つけて「発見する楽しさを味わうこと」を、文科省の「学習指導要領」も期待しています。

 以上を骨格として、肉付け内容が3つあります。

「倍」、「かけられる数/かける数」、「交換法則」の3つです。

 交換法則については、以前の教科書では東京書籍版(だけ?)が、九九の段の途中から教えていたのですが、来年度からは、6社全部が、九九の段が終わってから、まとめの九九表のきまりのところで教えるようになっています。しかし、「学習指導要領」によれば、教えられる前に子どもが自分で気が付くことはいっこうにかまわないどころか、推奨されているはずです。

 交換法則は、「かけ算では、かけられる数とかける数を入れかえても答は同じです」という表現になっていますが、「かけられる数/かける数」という用語自体は、九九の段の途中で出てきます。

交換法則を習う箇所を( )で示し(全社、まとめの九九表のところなので(表)としました)、「かけられる数/かける数」の用語を習う九九の段の数を○で囲み、「倍」を習う位置も示すと、以下のようになります。

  東書:導入()52③467891()

  啓林:導入()⑤23467891()

  学図:導入()253④67891()

  教出:導入⑤23467891()()

  大日:導入25③4()67891()

  日文:導入25③467891()()