グーグル、グル、グル、再開(^_^; | メタメタの日

 mixiのトピで、KiLiさんという方の254,256,259発言で、初期条件1「妻たちは他の妻の理解状態を知らない」という問題設定自体が矛盾していることが分かった。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=35529910&comment_count=262&comm_id=161710  

99人が浮気していることを知っている妻にとって、「"自分の夫以外、どの夫も浮気していないこと"を知っている妻」が存在することはあり得ません。なので、これを仮定して背理法を使うことはできないと思うのです。」


  なるほど、なるほど。脱帽です。


 この問題を見たとき、私は最初、初期条件2「妻たちは他の妻の理解状態を知っている」という設定で考えました。つまり「帽子問題」と同じ問題だと思いました。そして「何も起こらない」のではないかと考えたのですが、「100日目」という解答が出てきて、その議論を読んでも、よく分からず、その内、条件1の前提で議論するものがあって、これなら分かると思ったのです。条件2の場合でも100日目という解答が成り立つということは、数日経って、ようやく理解したのです。

 で、Googleの原典ではどちらの条件かと思って、『ビル・ゲイツの面接問題』を見たのですが、条件2のようであるが、やや不明と思っていたのですが、Googleでも、条件2の問題設定のはずだということが、今回のKiLiさんの御指摘で分かりました。


 「妻たちは他の妻の理解状態を知らない」という「初期条件1」の設定自体が矛盾しているということですね。


「初期条件1」では、「ある妻Aは、他の妻の理解状態を知らない」が、しかし、他の妻の能力については、以下の能力があることを知っているという設定でした。

(1) 自分の夫の浮気は分からない。(「分からない」というのは能力とは言えないが・・・)

(2) 他人の夫が浮気したら、即座に分かる。


 しかし、これを前提とすると、99人の浮気を知っているある妻Aが、B以下の「他の妻の理解状態を知らない」ということはありえないのですね。

 なぜなら、能力(2)から、B以下も99人の浮気を知っていなければならない、ということをAは分かるはずです。ただA自身の夫については不明で、AとBは、ABを除く98人の夫の浮気事実を「共有」している。この「共有」は、言葉で情報交換して共有することではなく、お互いに相手の能力から演繹されるということですが。

 つまり、「他の妻が自分と同じ能力を持っていることを知っている」という前提では、条件1は条件2の場合と変わらないことになる。『ビル・ゲイツの面接問題』が、条件1と条件2を区別しなかったことは当然でした。

 

 では、上記能力を前提しないと、「他の妻の理解状態を知らない」ということの意味はどうなるか。

(3) 自分の夫の浮気は分からない、かどうか分からない。

(4)他人の夫が浮気したら、即座に分かる、かどうか分からない。


 つまり、「少なくとも1人の夫は浮気をしている」と宣告されたときに、「0人の他人の夫が浮気をしていることを知っていて、自分の夫の浮気を確信する妻」という存在は、2日目の朝に事実確認をするまでもなく、論理的にありえないことになる。なぜなら、他人の夫が浮気しているかどうか分からないのだから、「1人いる」という浮気夫が自分の夫と確信できるはずがない。

 すると、99人の浮気を知っているある妻Aは、他の妻の行動から何も情報が得られず、自分の夫の浮気を確信する状況は何日経っても訪れず、村には何も起こらない・・・・・・、というより、問題自体が陳腐化する。


  ということで、「条件1」については考える意味はなく、この問題は、「条件2」つまり、妻たちは他の妻の理解状態を知っているという条件設定で考えるべき問題となる。つまり、「帽子問題」と同じ構造の問題となる。あらためて、KiLiさんに「脱帽」です。