最初の人間のパラドックス | メタメタの日

最初の人間のパラドックス


mixi に次のようなトピを立てた。

「人間は人間からしか生まれない。
 地球ができたとき、人間は存在しなかった。
 いま、人間は地に満ちている。
 これはパラドックスではないのか?」


さっそく、進化論を考えればパラドックスではない、というレスが付いた。

そして、人間というのは生物学的な概念ではない、というレスも付き、さらに、
「「種」というのはあまり明白な定義ではなく,“一般的に”ある種の生物は同一の種の生物から生まれるとは言えても,ある種の生物から別種の生物が決して生まれないわけではない。」@myrmecoleon さん
 というレスも付いた。


で、私のお返しレスポンス。


 「種」の定義を、「生殖的に他の集団から隔離され,その内部で互いに交雑可能な集団」(@「ネットで百科」)、あるいは「同地域に分布する生物集団が自然条件下で交配し、子孫を残すならば、それは同一の種とみなす」(@ウィキペディア)としましょう。
 つまり、個体間で交配可能な集団を種とします。
 すると、親の世代の種から、1世代で、子の世代に新種の生物が生まれるということはちょっと考えられない。なぜなら、新種の出現は、単発ではまずいわけです。単発では、既成種と交配できず、子孫を残せない。すると、子世代に属する個体の大きな割合が、一斉に同じように突然変異して新種に生まれ変わっていることが必要となります。
 つまり、「最初の人間(新人:Homo sapiens sapiens)」は、旧人(早期ネアンデルタール人)から、一斉に1世代で突然変異して生まれたと。

 しかし、むしろ、発掘結果は、次のような事実を示しているのではないでしょうか。(@「ネットで百科」から愚考)
 旧人(早期ネアンデルタール人)から、ある程度の世代数(数千世代?)を経て、一方は古典的ネアンデルタール人類に、他方はホモ・サピエンスになったと。
 つまり、親世代と子世代は同一の種に属する(「旧人は旧人からしか生まれない」)が、遺伝子上の小さな突然変異が積み重なって、いつしか数千世代前の旧人とは別種の、古典的ネアンデルタール人類とホモ・サピエンス(新人)が生まれたと。
 この場合は、旧人から新人への移行はグラデーションですから、どれが「最初の人間(新人)」ということはできない。