Marty Friedman / Drama | おネギさんの温故知新 「俺の山河は美しいかと」

Marty Friedman / Drama

日本をこよなく愛し、その心を己の指に乗せて表現する魂のギタリスト、マーティ・フリードマン。


そんな彼の2017年発売は前作「Wall Of Sound」以来となる新作がこの度発売となった。


中途半端なことが嫌いなマーティさん。前作まではヘヴィならヘヴィでとことん極めた作風だった。しかし、今回はバラードがメイン。


2024年3月12日にアルバムのオープニングを飾るIlluminationが公開され、その後に第二弾となるDead Of Winterが公開となった。この2曲を聞いて期待を膨らませていた。このアルバムを語るキーワードに1992年に発表した「Scenes」を挙げていた。注目としては、「Scenes」収録のTriumphの新録オフィシャルバージョンが収録されていることだろう。自身の成長と進化によってTriumphを最高の場所に連れていけると判断して新たにレコーディングした。それが非常に素晴らしい。


アルバムは、イタリアでレコーディングされた。たくさんのヴィンテージギターとモダンギターを持っている友人の元で、独特のタッチを表現することに成功している。チェロやバイオリンなどを大胆に導入して、オーケストラの要素を加えることでスケールの大きなドラマチックなサウンドを築いている。


唯一歌入りのDead Of Winterは、ニュージーランドのLike A Stormのブルックス3兄弟をゲストに迎えている。ボーカルはクリス・ブルックスさんだ。どこかJ-POP寄りな楽曲ではあるが、クリスさんが歌うことで洋楽として確立している。この曲がすごく素晴らしくてアルバムの中で一番気に入った曲でもあった。


さらには、過去に共演したことのあるイスラエル出身のオル・ルピアニカーや、DREAM THEATERのジョーダン・ルーデス、グレッグ・ビソネット、ブライアン・ベッグヴァー、またマーティバンドのメンバーであるわかざえもんさんやChargeeeeさんも参加している。


唯一のヘヴィ曲であるThrill Cityがあることで、アルバムのテーマであるバラードって要素を更に際立たせているのも注目である。是非ともイライラした時に聞いていただきたい。ものすごいリラックスできる。そんな素晴らしいアルバムである。