台風の影響はいかがでしたか?

千葉県が最も台風に近かったからか、ワタクシの職場は1時間早帰りとなりました。

明日は台風一過の猛暑らしいです。・・・(>_<)

 

記事化が遅れていましたが、美術館巡りの最終。

アーティゾン美術館の所蔵品を「作品が見てきた景色をさぐる」なるテーマで展示。

 

絵は、最初の目的が室内に飾るためのものだった。

そこで、様々なしつらえの中で絵を見てみる。

襖絵は和室の間接的な自然光で見てこそ。

特別に仕立てた和室と照明がお見事。

応挙のワンコたちもふすまの中で遊んでいますね。

 

特に面白かったのが、絵を飾る額縁についての様々なキャプション。

額縁ひとつで絵が生きたり死んだりする。

その絵に合わせた額縁かどうかも、絵画の価値決定に絡んでくるのが分かる。

 

ブータンの海の絵は《ルイ14世様式》

 

シスレー。おそらく《ルイ13世様式》

 

モリゾにはルイ15世様式

 

モネの睡蓮には《ルイ16世様式》

何だろう、確かにルイ14世的な装飾額縁ではモネの良さが死んでしまう気がします。

 

英国ゲインズバラには英国18世紀ころの額縁を。

 

レンブラントにはオランダ同時代の頃のデザインの額縁がかかり、絵の重厚さと相まっていますね。

 

コローの「イタリアの女」にはイタリア様式に似た額縁を合わせたそうです。

 

 

国や時代でなく雰囲気でのマッチングも。

こちらのゴーギャンにはスペイン様式

 

こちらもスペイン様式で、スーティンの軽やかな絵を彩ります。

スペインの額は黒漆の使用で金箔の彫りが落ち着いて、素朴な印象まであります。

 

日本の絵画では、青木繁の「海の幸」にこの魚の彫刻の額で。

 

牛島憲之の絵と、新調した額が見事に合っていますね。

 

額縁ってすごい!と思っていたら、こんな方も・・・

野見山暁治は「裸でよければ服も着ないし、なくても良いなら額は付けない」と言ったそうです。

草間彌生なども大型作品にはまず額をつけませんね。

額が無いことで絵が画面から拡散していくように感じられます。

 

ジャコメッティの「矢内原」の肖像では、元々画家本人が付けた額が脆くなって新調しましたが、元の額の銀箔が絵と相性が良い為、新たな額も銀箔としたそうです。

ほんと、この絵に金箔なんてありえない~。

 

日本画ならば、軸物の表装も鑑賞のうちとしますが、今まで油彩の額に注目することはあまりなかった。

これから絵を見る楽しさが倍増しそうです。

 

10月14日まで