以前から一度見てみたかった「地下神殿」こと首都圏外郭放水路。
東武野田線アーバンパークラインの南桜井駅で下車、徒歩で地下神殿の見学受付会場「龍Q館」を目指しました。
網目状の細い道路を通って、何とか江戸川沿いにたどり着いたのですが、河川敷で江戸川を見ながらお弁当でも、と思っていたのに、ベンチのひとつもないのね。
でも、洪水が起きた時、巨大地下神殿から水が放出されるのはこの江戸川の、この流域なのだから、河川敷に公園など作れるわけがない。
「ベンチくらい置けばいいのに」なんて、浅はかに考えてごめんなさい<m(__)m>
↓この画像の柵の向こう側が江戸川。柵の下が排水樋菅6門。
こちらが龍Q館(庄和排水機場)
敷地内には、地下のトンネルを掘った時の掘削機が展示。シールド工法というらしい。
直径10メートル!これで、小規模河川から流出する水を貯める立坑と立坑をつなぐトンネルを一気に掘る。
龍Q館
外郭放水路の仕組みを説明したパネル
ワタクシたちは13時からの回。
まず職員さんから放水路の概要を聞く。
そのあと龍Q館を出て、200m先にある地下神殿=調圧水槽の入り口へ向かう。
この入り口から先は116段の階段になっていて、地下神殿に降りるまでは撮影禁止。
地下神殿に到着
見学時は当然のことながら水量は0。ただし、ところどころ水が残っていて、極々微かにどぶ臭いような気がする。
116段あるという階段。
柱は高さ18m、500トンあって、59本の柱と天井の重量で、この地下神殿が浮き上がらないようにしているとのこと。
上の掲示板が最大貯水位。下が放水時に稼働するポンプが停止する水位。
地下神殿(調圧水槽)に隣接する第一立坑。
中を覗くことはできなかったのですが、内径約30m、深さ70mもある。この第1立坑だけは、他の立坑と異なり、河川からの直接流入がなく、調圧水槽にスムーズに水を送るための貯水槽の役割。
洪水時には、各河川から流入する水を取り込む第2~第5立坑から地下トンネルで送水され、第1立坑を経由してこの調圧水槽に水が溜まっていく。
水槽の遥か奥にあるのが龍Q館の排水ポンプ設備。このポンプで排水樋菅に送水され、江戸川に流される。
年間平均7回程度の貯水稼働、排水量は最多で平成27年9月の台風17号、18号の時の1900万㎥。
貯水によって床面に泥が溜まるので、見学会のために人海戦術で見学可能部分だけ泥を舁き出しているとのことですが、年に一度、天井からブルトーザーをクレーンでおろし、泥濘を地上へ廃棄するそうです。
↓
天井の照明ふたつの間にある黒い部分が重機などの出入り口。
この地下神殿、気温は12℃くらいとのこと。冬場でも9℃くらいで、夏になると外気温との差によって靄がかかることもあり、ますます神秘的に見えるそうです。
職員さんに伺ったところ、この地下神殿の設計は、佐藤工業、竹中工務店、奥村組が手掛けたそうです。
機能もデザインも秀逸。
見学時間は約20分。また116段の階段を上って地上へ。
この後は龍Q館2階の展示室に向かいました。
展示室に隣接する中央操作室。
見学の様子もモニターされてる。
こちらが首都圏外郭放水路全体の模型。
なんと、水が溜まる様子が実演されます。
ポンプ設備も8分の1の模型がありました。
今回はJAFのイベントとして参加したので、おみやげもいただきました。
なんとこの見学には今回我々が参加した「地下神殿コース」以外に「立坑体験コース」、「ポンプ堪能コース」、「インペラ探検コース」の4コースもある!
マニアックな人々の要望にちゃんと応じようとしているのが素晴らしい。
ところで、昨日は母の日。
ロビタは可哀想に終日試験勉強のための予備校なので、地下神殿見学には参加できませんでしたが、素敵なプレゼントを用意してくれました。
飛びきり滑らかなチョコレートとキャラメル風味の強いアーモンドチョコ。
とても美味しかいよ、ありがとう。