なかなか進まない南九州の紀行文でスミマセン・・・。

旅行から2週間経ってしまった。

 

今回の旅のメインイベントは、灯台女子としては当然のことながら都井岬灯台の見学だったのですが、ロビタに付き合って巡った建築の中で、OPAM(大分県立美術館)と同等以上に見学が楽しかったのが、この別府市公会堂でした。

TVドラマ「名建築で昼食を」に採用必至と言う感じです。

 

外観(残念ながら前庭を工事中でした)

この壁面、いわゆる「スクラッチタイル」と言うやつです。旧帝国ホテルにも使われた種類ですね。

そのスクラッチタイルをはめ込んだ外壁ですが、よく見ると規則正しい積み方の中に不規則な遊びがある。

こうした隠れた遊び心が楽しい。

 

中は市民に貸し出されるホールや会議室などで、一般の見学も可能。

1階に建物のミニコーナーがあり、公会堂愛にあふれていました。

 

さてさて、らせん階段を上ってまずは最上階へ

ホールのバルコニー席への入り口と会議室の階。

階段踊り場、月星のステンドグラスと、星型照明が呼応して素敵です。

照明が各階ごとに異なっていて、其々がすごくかわいい。

 

2階はホールの入り口。ここの照明は球3個。シンプル

外階段から直接上がれるようになっているので、ホール直結の入り口があります(閉鎖中)。

格調高い入口ですね。

天井の装飾も素敵。シャンデリアの黒い鉄がシック。

壁面のタイルが深い海の色。実にいい色なのですが、撮影したものではその良さが伝わらないですね。

 

2階ホール前広場のモニュメント

このテラコッタ風の天使像ですが・・・

どう見ても「Angel」ではなくて、「隣のしょうちゃん」。純和風の風貌が笑える。

 

第二会議室のシャンデリア

バレエのレッスンなんかに使ったら、素敵な室内。

 

第三会議室 燭台風壁照明

これも星型。

 

展示室にあった明り取りのガラス天井

 

屋上には出られなかったけれど、こんな感じ

 

屋上手前の階段も凝っていて、天井には星の鏝絵

 

料理室もあって、現在は調理実習などに使われている様子。

 

~メモ~

別府市公会堂

竣工  昭和3年

設計  吉田鉄郎

鉄筋コンクリート造、3階建

 

設計者吉田鉄郎氏は、帝大卒業後、逓信省経理局営繕課に入り、東京中央郵便局、大阪中央郵便局など、逓信省建築を多く手がけました。その作品はモダニズム建築として評価されています。

 

なんと千葉市内にも作品が残っている!

検見川送信所。

「対外国通信を目的とした施設で、日本で初めて短波による標準電波を送信した施設である」とのことですが、ほとんど廃墟に近い。保存する会があるようです。残せるなら残してほしいものですね。