英国ミステリファンです。
と言っても、もっぱらBBCなどのTVドラマですが。
その流れからミステリー小説も本家本元の英国作家を中心に読みます。
ルース・レンデル
P.D.ジェームズ
パトリシア・ハイスミス
ダフネ・デュモーリア
アガサ・クリスティ
以上は国内で入手しうる文庫本はほぼすべて読みました。
ここ10年くらいのスパンで考えると、修道士(修道女)ものが多い。
ワタクシが読んでいるものだけでも3シリーズあります。
12世紀のウェールズが舞台の修道士カドフェルシリーズ(エリス・ピータース)
14世紀のロンドンが舞台、クランストン検死官と、その書記アセルスタン修道士シリーズ(ポール・ドハーティ)
7世紀アイルランドの法廷弁護士でもある修道女(実は王の妹でもある)フィデルマのシリーズ(ピーター・クレメイン)
中世を舞台にすると、歴史的には教会を中心にするのが最も話を構成しやすいのかもしれない。
教会や修道院は信者を導く規範でもあったので、法律にも関与していたであろうし、警察、病院、役場的な役割も持っていただろう。
ワタクシの一番のお勧めは、元十字軍兵士で現在は薬草園にも携わるカドフェルのシリーズですね。
カドフェルの性格に一番共感できるのと、登場人物が皆信心深く、謙虚であり、ストーリー的に現代人とは異なるメンタリティが巧みに表現されていると思うので。
そういえば、青池保子の「修道士ファルコ」シリーズは、青池先生が「薔薇の名前」とか好きで、このカドフェルシリーズの愛読者だったことから生まれたそうです。元兵士の修道士、薬草園に関係がある(ファルコの同僚オドは薬草に詳しい元ケルン市警)など、共通点は多い。
日本の場合、江戸時代が舞台の捕物帳が歴史推理小説としては中心ですが、ミステリーの本家英国の中世ものにならって、そのうち「明恵上人は名探偵」とか、誕生しませんかね(笑)