2012年からの連載も、ついに完結、一年に一度の単行本化を、いつも首を長くして待っていたので、終わってしまったのが残念です。

 

12年の幽閉の間に、王家はマルゴとは無関係なところで移ろっており、この巻は、文字通り「マルゴの老後」を描いています。

ただ、中枢から離れていることで、彼女の心が平安に向かい、ある意味、幸せな諦観を得ているところが良かった。

 

バロック期の絵画などで、絶世の美女として有名な、ブエラ・デストレが、アンリ四世の愛人として登場。

そういえば、やはり絶世の美魔女として有名なディアーヌ・ド・ポアチエも、マルゴの父・アンリ2世の寵姫として、第一巻に登場していました。

 

アンリ二世、アンリ三世、アンリ・ド・ギース、ナヴァル公アンリ(アンリ四世)・・・。最後にはアンリ四世の愛人がアンリーで、ただでさえ混乱するところを、見事な人物造形で描き分けてあります。

また、フランスのヴァロア朝、ブルボン朝の入り組んだ人間関係や、当時の宗教戦争などを、これほど明快にわかりやすく描いて見せられるのは、やっぱりおモー様の実力あってこそ。

 

いろんな行事がコロナウィルス騒ぎで中止になり、明日は一巻から再読の予定。