維新の党の足立康史衆院議員(比例近畿)は25日の衆院厚生労働委員会で質問に立ち、元私設秘書から未払いの残業代700万円を請求されたことを明かし「払うことはできない。私たち政治家の事務所は、残業代をきっちりと労働基準法に沿って払えるような態勢かと問題提起したい」と述べ、未払いを正当化した。
足立氏は「私は24時間365日仕事をする。そういう中、秘書だけ法に沿って残業代を支払うことはできない」と持論を展開。元秘書からの請求に対しては「ふざけるなと思う」と強弁した。
毎日新聞 2015年03月25日
同氏は、「私は24時間365日仕事をする」と言っています。秘書も自分の指揮命令下にある以上は、それに従って仕事をするというのがこの方の論理です。
同氏と秘書は労働契約を結んでいたとのこと。つまり、使用者と労働者の関係が存在します。この関係があるということは、使用者の一方的な要求から労働者を守るため、労働契約において最低限度が適用されます。
そのラインは
・1日8時間、週40時間以上の労働は違法
・休日は週1日、それ以上働かせる場合は36協定必須
・時間外、深夜労働は25%、休日労働は35%割増賃金支払いが必要
となり、同氏は使用者である以上、これらを履行する責務が法的に定められます。
ここで同氏の発言に戻ります。
「私は24時間365日仕事をしています。夜中でも起きます。その中で秘書だけが労働基準法に沿って残業代を払うのは、私はできません」
あなたがどうかは関係ありません。
大切なのは、使用者としての責務を法的に果たしているかです。
思うに、こうしたマインドの経営者って多いんですよね。
ブラック企業のなくならない理由の一つって、これですよね。トップの意識。
「自分はこうだ!だからお前もこうしろ」
何度も言います。
あなたがどうかは関係ありません。
使用者として、従業員を雇う以上、その従業員の安全衛生、生活への配慮を怠ってはならないのは、至極当り前です。
それをしないとどうなるか。それは「奴隷」と言うんです。現代版でいうと「社畜」ですね。
中には従業員のモチベーションをしっかりと引上げ、成果を出す素晴らしい方もおりますし、そういう方は人としても心底尊敬します。
ですが、国の施策を司る方にこんな意識の方がいる以上、ブラック企業の撲滅はまだまだ難しいのかなと思います。
この問題、腐らすには惜しい。
もっと徹底的に見ていく必要がありますね。
色々勉強して、また思うことを書いてみようと思います。