〈水〉「やってごらん。」という声がしたかと思うと、かめが口に水を含んでは吹きかけています。
リュウはかめにならいすごい威力で水をまきました。その勢いで土が崩れて中央の湖に海水が流れ込み火は消えました。
首長竜の姿だったからこそ、火を消し止めることが出来たのです。
海はきらきらと輝いて、リュウを英雄として招いていました。
(ぼくがこの姿で良かった・・・。)
初めて自分の姿を誇りに思いました。そして良い行いが自分をも元気にすることを知りました。
小さな生き物たちは避難したところからリュウの火傷を負った後ろ姿と波の後をみつめていました。
「なんてりっぱな行いでしょう。あなたを針で攻撃したぼくたちをくろこげのやけどになりながら助けて下さるなんて…。ありがとうございます。ぼくたちを救って下さった御恩は決して忘れません。」


