哲学のおはなし。
現代の人々は、モノにお金を払って、
その「機能」を手に入れているのではなく
「記号」にお金を払って、
「記号」を手に入れています。
フランスの哲学者、
ボードリヤールが指摘したのは
人々の消費欲には限界がなく
他者との差異をうみだす情報によって、
モノを選んで買っているということ。
例えば、「バッグ」
バッグの機能は「物を入れて運ぶ」こと。
本来であれば、
その機能を果たすものは何個もいらないはず。
大きめを入手しておけば、大は小を兼ねるし、
仮に壊れたりしたときのために余分に1つ、
せいぜい2つあればいい。
けれど、
サイズ違い
デザイン違い
ブランドもの
季節の新作
別に買わなくてもいいのに、
消費欲に任せて何個も買ってしまう。
本来の「機能」ではなく
それ以外のことを満たすために
人はモノを消費する。
ということでした。
モノには2種類の意味があって
デノテーション(明示的意味)と
コノテーション(潜在的意味)
があります。
そして私たちは、
コノテーションによってモノの価値を決めています。
ブランドもののバッグであれば
デノテーションにおける意味は、
物を入れて持ち歩くことができる袋
コノテーションにおける意味は、
セレブ、オシャレ、注目度アップ
など。
たとえ機能性が全く同じであったとしても
ブランドものについた情報、コノテーションによって
その価値が上がり、値段が高くても人は買う。
いや、むしろ高いから買う。
もはや消費社会では
人はコノテーションに支配されて行動するわけです。
だから有形であれ、無形であれ、
何かを販売する時には
コノテーションで勝負することが賢明で、
あらゆる商品の広告宣伝をみても、そうなっていますね。
個人ビジネスでは、
そのあたりのことがポイントですね。