勤めている会社に従業員持株会の制度がある場合、今の会社(または、親会社)にそれほど不安がないのであればその制度は最大限に活用した方がいい。

 

 

ある程度積み立てが進み、取得した株数が単元数に達した場合、そのまま積み立てを続けることもできるが、単元数単位での一部引き出しをすることもできる。さて、そのまま積み立てを続けるのと引き出してしまうのと、どちらがいいのだろうか。

もし会社が配当金をだしている企業ならば、積み立てを続けた場合は配当金はそのまま積み立ての原資に使われる。無駄なく端数での購入がされ複利効果が得られるので資産運用としては都合がいい。一方、引き出した場合は普通に配当金がもらえる。自分で配当金の使い道を自由に選択できるため、分散投資も兼ねて他への投資がしたい場合はこちらの方が都合がよいだろう。

また、引き出した場合はその株の売却をすることができる。ただし、インサイダー取引に引っかからないように十分注意が必要になる。勤め先の会社によっては売買自粛期間を設けていたり、売買するにあたってインサイダー取引でないことの書面提出なんかが必要なところもあるだろう。ここら辺が面倒で大変そうなら、退職してから1年後に売却するのがいいだろう。

私の場合は、持株会で単元数たまったらすぐに引き出しを実施し、そこからメインの証券会社へ移管している。理由はいくつかあり、自社株を買うのは持株会だけで十分と判断しているため配当金は他の投資への原資にあてたいからというのがのが一つ。また、売ることに難儀する自社株をFXや信用取引などの担保に使うことができるからというのも一つ。あとは、基本的に証券会社は一つしか使っていないので、一つの証券会社で管理したいからである。しかし、移管手続きは郵送が発生し少々面倒くさい。すべてWEB上で完結できれば楽なのだが。

ちなみに、持株会から引き出しをすると野村証券に引き出されるのだが、従業員持株会から引き出した株式に限り、他社への株式移管の手数料は無料になる。手数料覚悟で移管手続きをしたのだが、実は無料でできることを知り、そういう重要なことはWEBにちゃんと書いておいてくれよという気持ちと、手数料無料でラッキーと浮かれる気持ちと、なんとも複雑な気分になったのだった。