勤務先が上場会社だったり親会社が上場していたりする場合、従業員の福利厚生の一環で従業員持ち株会の制度があるところが多い。自社(または、親会社)の株を購入することになるので、業績が悪化したときには株価の下落とともに給与や賞与も減ってしまうというダブルパンチを食らう可能性もあるが、それでもメリットは十分にあると思っている。
最大のメリットは奨励金がでることである。会社によって付与率は様々で、だいたい5%から15%くらいに設定されているものだと思う。株を購入するのに手数料を払うことなく逆にお金をもらえるという、まさに錬金術である。資産運用5%を目指している人なら、もし奨励金が5%でるのなら、持ち株会に入り株を買うだけでもうすでにスタート地点が5%から始まっているという、もはやボーナスステージである。こんなに有利な条件で資産形成ができる機会なんてほとんどないのに、株価が減少するのが怖い、マイナスになるかしれないと、とにかく損するかもしれないリスクを極端に嫌って入会しないのは、果てしなくもったいない限りである。
他のメリットとしては、株式をドルコスト平均法で積み立てられる、というのがある。ドルコスト平均法のメリットはこの記事で書いている。個別の株式をコツコツとドルコスト平均法で積み立てる方法が他にあるのか知らないが、持ち株会なら自社株に限られてしまうがそれができる手段でもあるので有効に活用したい。
もし自分が勤めている会社に従業員持ち株会の制度があるのなら、入会を検討してみるといいと思う。どうしても自分の会社に明るい未来を見いだせないのなら入会を避けるのはありだと思うが、普通の会社なら株価を上げようと努力するはずである。なので入会中の株価の推移はどうでもいい。むしろ購入している間は低くなっている方が安く購入できるため都合がよく、最終的には自分が売却する時に購入価格より株価が上がっていればいいだけの話である。会社の未来や自身の資産状況をよく見てリスク分散をよく考えて、余裕資金で全力買いくらいの意気込みでもいいんじゃないかとも思う。