肉体は「お変わりありまくり!」(笑)



さて、今回も、気楽に「メタ2」してみましょ。(笑)
* 「メタ2って、何?」
http://ameblo.jp/meta2ninnchi/entry-10518731096.html



◎ 「動的平衡」・・・肉体は「お変わりありまくり!」


面白いインタビュー記事がありましたので、

ご紹介します。



<出典>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


毎日新聞 2010年7月14日(水)夕刊

『新幸福論』生き方再発見
分子生物学者 福岡伸一さん

取材:山寺香

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・ご著書の「生物と無生物のあいだ」は、
「生命とは何か?」を問うています。


福岡さん


私たちの体は、分子の粒で構成されています。
ミクロの部品が組み合わさってプラモデルの
ように思われがちですが、
実は、部品の一つひとつはものすごい速度で
分解され、流れているのです。


身体のあらゆる組織や細胞の中身は
常に作り替えられ、更新され続けています。

消化管や口の中の細胞は、2,3日ですべて
入れ替わるし、
筋肉の細胞だって2週間で約半分入れ替わります。

食べたものが分解されて再構成され、
それがすぐ分解されて呼吸や汗、
排泄物として外に出ていきます。


ですから、久しぶりにあって
「お変わりありませんね」とあいさつしますが、
分子的には「お変わりありまくり」なわけです。


・・・お変わりありまくりですか?


福岡さん


私たちの体は短い時間で見ると固体ですが、
長い時間で見れば液体
もっと長い時間で見れば気体です。


流れている分子が一時的によどんでいるに
すぎない。


その流れの中で、私たちの体はかろうじて
一定の状態を保っている。


その現象を、私は「動的平衡」と表現しています。


・・・なぜそんなに高速で入れ替わっている
のですか?


福岡さん


宇宙の法則に、秩序あるものは必ず無秩序の方向
に動くという「エントロピーの増大の法則」
あります。


簡単に言えば、整理整頓した机は必ず
ぐちゃぐちゃになるということです。


その中で生命現象だけが秩序を保ち続けるのは、
一見法則に反しているように見えます。


でもそうではなく、その法則が襲ってくるのに
備え、先回りして自らを壊し作り替えることで、
秩序を保っているのです。


細胞はたんぱく質などを作っていますが、
作り出す以上に一生懸命に壊しているのです。

たんぱく質や細胞は、傷ついたり故障したり
した場合にも壊されますが、

多くは出来たてでまだまだ使えるのに

壊されていきます。


ある意味けなげな自転車操業ですが、
生命が38億年の歴史で一度も途絶えず
続いてきた最大の理由です。


・・・「流れ」なのに、なぜ形が変わらない
のですか?


福岡さん


生命は、脳が中央集権的に60兆個の体の
細胞を統御するのではなく、一つひとつの
細胞は隣の細胞と相互作用しながら成り立って
います。


それぞれの自律性が少しずつ広がり、
全体としてバランスを保っています。

細胞と細胞、細胞を作る分子と分子は、
ジグソーパズルのピースみたいに
前後左右上下で形を認識しあっています。


一つのピースが捨てられると、そこに
合うピースがはまります。

だからピース自体は高速で入れ替わりますが、
絵柄は変わらない。


でも、全く同じように再構成されるわけでは
ありませんから、長い目で見れば絵柄も
少しずつ変わっています。


脳細胞も例外ではありませんから、
記憶だって少しずつ変容しているはずです。

その意味で、昨日の私は今日の私とは
違うわけです。


そういう生命観は、実は昔から人間が気づいて
います。

例えば、哲学者のヘラクレイトスは、
「万物は流転する」と言い、

日本では鴨長明が「行く川のながれは絶えずして、
しかももとの水にあらず」
とうたっている。


それを、20世紀になって科学が、別の言葉で
言い直したにすぎません。


・・・福岡さんがおっしゃる生命観は、
無常観ですか?


福岡さん


無常ではあるけれど、肯定的な無常です。

この世にあるすべてのものは流れ、
絶え間のない合成と分解の中にあります。
ですから、どんな嫌なこともいいことも、
分解されて流れていきます。


何かに執着したり、ちょっとしたとげが
抜けないことがありますが、
時間の尺度を長くとると、流れ流れていくもの
でしかありません。


少し前に「ボクは、なんにもならない」という
絵本を読みました。

地球上の生物や植物は食物連鎖で何ものかの
ためになるのに、人間だけは他から搾取する
だけだということを考えさせられる絵本です。


でも、見方を変えれば「僕」は何者にもなる。


死んで火葬されれば、体を作る炭素は
二酸化炭素に、水素は水に、窒素は二酸化窒素
になって放出され、他の生物に取り込まれます。


そう考えると、死をそれほど悲観的に考える
必要はなく、ある意味、最大の利他的行為
言える。


死ななくても、食べて排泄するだけで何かの
ためになっています。
生きていれば、分子は体を通り抜けている
のですから。


・・・そう考えると、世界が少し違って
見えてきますね。


福岡さん


「福岡さんのやっている研究は何の役に立つ
のですか?」とよく聞かれます。

生命現象の仕組みを記述しているだけだから。


でも、生物や世界の成り立ちを記述することで、
自分を含め人々に「なるほど。そうなのか」
とある種の納得がもたらされます。


その納得を「動的平衡」のように非常にシンプル
に表現する言葉を見つけられた時、
私は幸福感を感じる。


科学は客観的なデータで語られると思われて
いますが、それは科学の一断面であり、
そういうデータが何を語っているのかを
語れた時が科学の出口だと、私は思います。


だから、私にとって幸福は、言葉によって
もたらされるということですね。


納得はもたらされたが、それに対して人間が
どうすることもできない。


それはある種の諦観(ていかん)ですが、

そういう生命の流れの中に私たちがいると
知ることは、希望でもあります。


(聞き手:山寺香)


・・・・新聞記事 終わり・・・・



◎「執着」や「心のトゲ」・・・とメタ2


肉体は、日々、高速で流れている。

脳細胞も、どんどん変わっていき、

記憶も変容していく。


それなのに、

同じことにこだわり、執着したり、

昔のことが心のトゲとしていつまでも残ったりする。


・・・これって、とても大変なことをやっている訳ですね。


だって、エントロピー増大の法則にしたがって、

何もかもが、流れ去っていこうとするのに、


毎日、一生懸命に、わざわざ努力して、

執着する心、痛い心のトゲを「再構築」して、

その感情を「維持」しているわけですから、

これは、タイヘン苦労しますよね。


それはあたかも、

流れの速い大きな河の流れに逆らって、

一生懸命、小舟を漕いでいるような努力ですね。


しかも、そんなに頑張って努力して維持しているものが、

「何かへの執着心」だったり「心のトゲ」だったりして、

そのこと自体が、また、私たちを苦しめるわけですから。


・・・考えてみれば、一体、何のために、

  こんなに舟を漕がなければ、ならないんでしょうね?(笑)


いっそ、漕ぐのをやめてしまえば、

「執着」も「心のトゲ」も流れ去り、

その方が生きやすく、幸せなんだったら、

それでいいのでは?


意外に私たちは、

命の流れに逆らい、小舟をこぎ続け、

自分を苦しめるための「無駄な努力」を

人生のいろんな場面で、(職場、家庭、ひとりで居るとき、など)

今だにやっているのかもしれませんね。(笑)


・・・考えてみれば、この姿は、ちょっと、滑稽かもしれません。

  でも、本当に一生懸命、けなげに、そんな努力をしているわけです。

  私たち人間は、

  「悲しくも、可愛いもの」ですね。


  こだわりたければ、こだわればいいでしょう。

  もしかしたら、まだ、こだわる必要がある時期なのかも

  しれません。


  心の傷・トゲを、一生、抱え込んで生きていたいのなら、

  それもよいでしょう。


  こだわり続け、トゲを抱え続けることも、

  とても、タイヘンな努力ですから、

  それをやりたいというのなら、

  それでもよいのかもしれませんね。



  こうした営みの末に、皆、死んでゆきます。


  こだわりも、執着も、心のトゲも、みな、

  大河の一滴として、流れていきます。


  こだわるも、こだわらないも、自分次第ですね(笑)。

  奥深い自分の心が求めるままに・・・。


・・・大河の一滴としての自覚・・・・


  これも、「メタ2」の実感の表現例の一つですね。


肉体も、記憶も、執着・こだわりも、心のトゲも、

あたかも水の流れの中の「よどみ」や「泡」のようなもの。


それが、幸せに繋がるものならば、

努力してしっかりと持ち続ければよい。

命は、一時だけど、それができるのだから。


もし、それが、幸せに繋がらないなら、

流れに逆らい再構築する努力をやめればよい。

それは無駄な努力なのだから。


*「ガラスのコップを見ながら、メタ2」

  http://ameblo.jp/meta2ninnchi/entry-10528561427.html


* 「メタ2って、何?」
http://ameblo.jp/meta2ninnchi/entry-10518731096.html


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19.ライフサイクルの「9段階」とメタ2 


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20.心だに誠の道にかなひなば祈らずとても神や守らん 


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