2019年2月18日に私が乳癌と確定した時
お世話になっている乳腺外科の先生は、
本当にとても丁寧に親切に、そしてとても真剣に
私に乳癌の告知をしてくださいました。
その時、先生に、
「質問とかなにか聞きたいことありますか?」と言われ
私は何を聞いていいかもわからなくて
茫然としながらも思いついたことを質問したかと思います。
その中のひとつで、自然と私が聞いたというか言ったのは、
「急に乳癌と言われても誰にこのことを伝えたらいいのか・・」
と先生につぶやいていました。
先生は即答で
「そうですよね、それはとても大切なことです。」と
言ってくださいました。
<ここからは私と私の信頼している先生とだけの会話なので
”私の場合”ということで読んでいただけたら幸いです>
そしてその後、先生が続けて迷うことなく仰ったのは
「○○さんの(私)年齢だとご両親もご高齢かと思います。
とても大切なことですが○○さんの場合はご両親には
言わなくていいと思います。今までたくさんの患者さんを
見てきて、ご高齢のご両親に乳癌を伝え、心配でご両親が
体調崩されるなどしたりして、乳癌患者さんが余計に辛くなり
両親に言ったことを後悔する姿をたくさん見てきました。
もちろん乳癌の状況にもよりますが、○○さんの場合は、
初期なので多分抗がん剤治療はしなくていいかと予想できるから
見た目もかわらないので、ご両親には言わないで、上手に
気付かれないように治療したほうがいいと思います。」 と。
そしてまた先生は続けて
「お子様に関してはその逆で、お子様がいらしたら
子供にはちゃんと伝えたほうがいいです。」と仰いました。
様々な先生がいらっしゃって、先生それぞれに
皆様ご意見も違うかと思いますので本当に私の場合ですが
私はこの先生が仰ってくださったことに納得しました。
私は乳癌を告知された患者になるので、
沢山の患者様をご存じの先生とは立場も違います。
もちろん人間なので先生と感じ方も考え方も違います。
いくら信頼している先生でも、もし言われたことに対し
”それは違う”と自分が思えば、自分の心を優先します。
先生が言ったからとは思わず自分の気持ちを考えます。
その上でも、私は先生が仰ったことに自分が納得しました。
そして先生に「主人には言ったほうがよい」とも言われました。
よく考えたら、主人に乳癌治療を私がかくせる事ではないですが、
そういった判断すら乳癌と聞いて出来なくなってました。
そして今現在の私の状況は
2月18日に乳癌の告知を受け、
3月3日は入院、4日手術、5日の退院を経て、
先日の3月13日は手術部分の抜糸もでき、
昨日からホルモン治療も開始しています。
そして今日までに至り、私が乳癌と確定し、
この乳癌を私が伝えた人は”主人”を入れて”5人”です。
先ずは主人。(私は子供はいません。)
そして心から信頼している友人が3人。
そして手術前のギリギリに、手術で全身麻酔もするので
念のためという気持ちも込めて、姉にメールで伝えました。
私が直接伝えたのは今現在も
主人、友人3人、姉、合計5人だけです。
この友人3人は、私が心から信頼している友なので、
乳癌と告知され、手術前に伝えていたのですが
本当に沢山の心遣いに助けられ今も助けられてます。
そして先生の話じゃないですが、私が姉に伝えたことで
聞いた姉がとても心配してしまい、手術、手術後で余裕がなく、
ほかの事に気をつかいたくないその時の私にとっては
姉に乳癌の手術を伝えたことを少し後悔してしまいました。
(もちろん想像以上のとても心配してくれて感謝ばかりです)
そしてずっとそばでいてくれている主人には
ずっと助けられています。
自分のことのように心配し、一生懸命向き合ってくれてます。
自分の事じゃないから、もしかしたら私より辛いかもしれません。
けどいつも不安になる私を元気づけ優しく寄り添ってくれてます。
乳癌とわかった時、誰に言おうかと一瞬悩みました。
けど自分が言いたい人だけでいいと思いました。
あたりまえに聞こえますが、色々考え合ていると
「あの人に言って人づてに誰かに伝わるならこの人にも」とか
人の事なんて考えてる余裕なんてないのに、
そんな世間体のような余計なことが私も頭をよぎりました。
けどすぐ、そんな考えが私はめんどくさくなりました。
こんな大切なことを伝えるのは、
自分が本当に心から信頼していて、
自分が伝えたい人だけでいいと私は思いました。
”乳癌”は聞く側も、とても深刻な話でもあります。
それを伝えてもお互い大丈夫な信頼関係であるぐらいの
心から信頼している友人だけでいいと私は思います。
今後、自分自身が心身ともに落ち着いてきてから、
色々オープンにできることもあるかもしれません。
けれど乳癌になって混乱している最中でも、私もですが
治療方針や生活のこと、いろんな判断もしなければいけません。
このブログに書かせて頂いているのは
本当に私個人の気持ちですが、
乳癌と向き合っていくのは本当に大変です。
そんな時は、余計なことや世間体、
社会生活で必要だった大人の付き合いは
出来る限り少しおいといて
自分が大切なこと、自分が大切な人
そして自分のことを大切に思ってくれる人を
最優先に大切にできたら私も幸せです。
そしてなにより乳癌と戦う自分の心と身体は
大切に大切にしてあげてほしいです。
感謝をこめて
message from Setsuko