今日は、
甲が出た足(アーチがある足)は、どこがどうなっているか
について、骨を中心に書きます。
骨 大事ですよ
バレエが何だといっても、骨がなくちゃ踊れませんし、それに、骨の範囲でしか、踊れないじゃないですか?
私の大人バレエの先生が面白いことおっしゃっていました。
「OLIVEさん、骨で踊ってください」
どういう意味でしょうねぇ
深すぎる先生です
今日の長―いブログを、真剣に読んでいただける方がいらっしゃいましたら、是非、お読みになる前に、大事なことを1つ、頭の隅に置いたうえでお読みいただきたいので、その大事なこと、先に書いておきます ね。
実は、バレエダンサーの足が甲高に見える(なっている?)のは、今日のブログのテーマの「足のアーチ(足弓)」だけではなくて、「足首の曲がり具合」が大きく影響していることがわかっています。
ただ、足首の話と、足のアーチのことを一緒に説明すると、話が複雑(complex)になりますので、解体しまして、今日は、足のアーチのことだけ取り上げます。
さて本題です。
足の甲(アーチ)を形成するのは、足の3つのアーチ(内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチ)だということを前回のブログでまとめました。
でも、この3つのアーチというのはちょっとざっくりした捉え方です。
足アーチをもう少し詳細に分解しますと、5つのアーチと捉えることができます。
できましたら素足になって、ご自分の足をよくご覧になり、足首を伸ばして、最大限、甲を出してみてください。
その状態で、足の甲(背)ではなく、足の裏をご覧ください。
全員、足の指は上にも下にも折ることができると思いますが、以下は足の指を折る話ではなく、
テントのような形をした足の話です。
余談:夫は、足指パッチンができることを自慢してきます。
①-1
A-B-の線は、お辞儀するように折れますか?
私、すこし出来ます。
A-B-折アーチ:足指の付け根でつくる縦アーチです。
これは、中足骨前部アーチと呼ばれるものです。
①―2
次に、A-Bの距離を、少しだけ近づけることが出来ますか?
A-B-縮アーチ:中足骨の付け根によるアーチです。
これは、どうも私は出来ません。足固いです。
あれ?、でも足指を伸ばして丸めると、すこしできるなぁ
バレエダンサーは、若干の範囲であればできる人多いのでは・・・
※これがどの程度できるかデータを調べましたが、不明。把握できない。誰か調べて~ 動く角度知りた~い。
②次は、A-Cの距離をギュッと縮めてアーチを作る(足裏をくるっと丸め気味にする)ことが出来ますか?
A-C-縮アーチ:足の内側の縦アーチです。
これは、私もできます。子供のバレエの先生の一人は、このアーチでゴルフボールをつかむ練習をしているそうです。で、実際に掴めるのかは尋ねていません。このアーチは、有名な「土踏まず」を構成する大きなアーチですので、偏平足でなければ、全員、このアーチを保った状態で歩行しています。
そして、意識を込めれば、普通よりもギュッとすることが出来ますよね踊れない私でも結構できます。
結構できると言っても何ミリかですが 。
③次は、難しいアーチです。
B-Cの距離を近づける(くるっと丸め気味にする)ことが出来ますか?
B -C -縮アーチ:足の外側の縦アーチです。
私は、なんだか、できるような?、できないような?感じでして、正直、動かす神経が通ってない気さえします。
①~③で、3つのアーチを紹介しましたが、ここまでのネタは、そんなに珍しい情報ではありません。
次からはレア情報です 。
良い図が、見つからないので、自分で作ることにしまして、
この足骨イラストに書き込みや色つけしていたら、時間かかっちゃいましたのですが、是非、ご覧くださいませ。
上に書いた3つのアーチと、私の手作りの図のなかにある5つのアーチを照らし合わせますと、
① A-B アーチ = 中足骨前部アーチ(横アーチ)
② A-C アーチ = 内側縦アーチ
③ B-C アーチ = 外側縦アーチ
に相当します。
外側縦アーチも、内側縦アーチも、文字と同じ色の太線で囲った、それぞれ複数の骨等の構造で形成されるアーチであることがわかります。
次に、注目してほしいのは、
④中足骨後部横アーチ(ピンク)です。
このアーチは、普通にしていて存在しますが、このアーチ、意思で動かせますか? 私、頑張ってみましたが、動いているのか、動いていないのか実に微妙です。感覚さえもよくわかりません。希望的観測では、ちょっとだけは動いているような感じもするのが・・・・。
ということは、私の場合は、ほぼ動かせてないのだろうと思います。
皆様は、いかがでしょう
そして、最後は、
⑤足根骨横アーチ(緑)。
ここが、足の背、いわゆる甲と呼ばれている部分のてっぺんです。
足根骨アーチは、3つの楔状骨(けつじょうこつ)と、立方骨で形成されるアーチです。
このアーチは、動かせますか
私の足では、さっぱり、動かせている気はしません。
でも、ジャンプからの着地の際には、衝撃(外力)で、アーチがつぶれる方向で動ているなと、自分としては思います。
下の図でご確認いただけますが、足根骨アーチの第二(中間)楔状骨こそが、お山のてっぺん、丸くてよく出た甲の頂点です。
ここで、また私の手書きの図をよくご覧いただきたいのですが、第二(中間)楔状骨と第二中足骨の間のところを赤で凹のように印をつけてあります。 「ほぞ接ぎ構造」と言いまして、横並びではなく、はまり込んでいる、特徴的な構造です。「ほぞ接ぎ構造」は、面ではまり込むので安定性が高く、つまり、かなり動きにくいようにできているのです。
第二(中間)楔状骨と第二中足骨のはめ込み部分を折るようにグイグイテンションをかけたら、関節内で骨同士がぶつかり、下手すると折れます。足の骨折の研究発表には、「第二(中間)楔状骨の骨折では、それに伴って、第二中足骨も一緒に折れたり、ひびが入っていることが多い」ありました。骨折の話は、怖いですね。
このグイグイテンションの話で、甲出しスティックを想像した方、いらっしゃいません
あれが、危険なのは、過剰なテンションや、繰り返し使用による負荷の連続で、足関節のこのあたりに繰り返し過度のストレス(物理的な負荷)が与えられた時でしょう。
この足根骨アーチ(緑)を、私たちが日常の歩行や走る際に必要である以上に、審美性を追及し、綺麗に見えるように作り上げたのが、甲の美しいバレエダンサーの足(甲)です。
審美性を追求すると、身体の安全面で必要な以上のアーチとなるので、故障のリスクは増えます 。ですから、大きなアーチを描いても故障しないよう、プロは柔軟性と筋力訓練をします。
下の図4をご覧ください。これは、普通の土踏まずのある足で、上で紹介した「足の3つの横アーチ」の高さを示したものです。
アーチ(弓)は、
中足骨前方アーチ < 中足骨後方アーチ <足根骨アーチ
となっています。
それを見ますと、足根骨アーチの弧が、バレエの審美性においては、ポイントとなることがわかります。
次に、下の図15をご覧下さい。
これは、「5本の中足骨」と「3つの楔状骨と立方骨」との間にある関節であるリスフラン関節から中足骨側を見た断面図で、アーチの形成を説明する図です。
この図15の中で、骨2だけには、まっすぐな矢印が引いてあります。
1、3、4、5の矢印は弧になっています。
つまり、可動域的には、図中の骨2(第2中足骨)は、高さだけ変わり、第1中足骨、第3~5中足骨は、下斜め方向に弓上に動いて1-5の幅を狭める(そうすると2の高さが増す)ことができこの1-5を広く(=平らに)すると、2の高さが減るということがわかります。
第2中足骨は、第2楔状骨と「ほぞ構造」なのですから、甲のてっぺんである第2楔状骨の高さを出したければ、第1中足骨、第3~5中足骨の地面側をきゅっと縮めることにより、それが可能になるであろう ということが分かります。
さあ、これで、骨の構造とアーチの話は、全て説明できました 。
でも、実際は、骨の周りに、結合組織、靭帯、腱、筋肉、脂肪等々があって、それらがガシッとアーチを支えていますが、今日は骨構造と足アーチについてだけ、まとめました。
サマリー:
1:足には、主なアーチが5つある。
2:甲の高い綺麗な足とは、足根骨アーチが高い足であり、足根骨アーチの最高点は、正常な足においては第2楔状骨で確認できる。
3:第1中足骨、第3~5中足骨の距離を縮めることによって中足骨の2つのアーチ(足弓)が強められ、それにより、第2楔状骨の高さ増す。
このように、足の基本構造を理解できますと、その次に、
「では、どうやったら第2楔状骨を高い位置に来るのか?」考えやすくなります。
この話は、またこのシリーズの後半で書く予定です。
しかしね、今、これ調べてますが、いろいろ読みましたが、いろいろなトレーニングについて賛否両論、異論反論大激論になっていて、世界中でてんでバラバラなこと書かれています。ですので、おそらく私、決定的な良いトレーニングの紹介には到達できないと思います。
でも、諸説展開して、ご法度を紹介できるかもしれません。
タオルクシュクシュ とか グイッと とかいろいろ指導されますでしょう? あれについて、賛否、論じられています
次号は、足の甲の判定 について 書くつもりです。
お願い:十分調べて、書いていますが、もし間違いあったら、教えてください。
参考資料は、以下他、海外のダンス学会HP掲載情報等を少し加えました。
図説 足の臨床 Amazon |