MONGOL800というロックバンドの【小さな恋のうた】━━初心者向けの曲として、ほとんどのギター教則本にバンドスコアが掲載されていることで知られる曲です。
そんな【小さな恋のうた】のことを私は以前ほかの記事に『こんな誰も知らないような曲……』とこきおろしたことがあります。
しかし、それからしばらくたってから、【小さな恋のうた】が収録されたアルバムは200数十万枚の売り上げを記録した大ヒットアルバムらしいことを知ったのです。つまりMONGOL800の【小さな恋のうた】とは、知らない人のほうが少数派の超有名曲だということです。
しかし、だからといって、私は前言を撤回するつもりはありません。【名実ともに】という言葉がありますが、【小さな恋のうた】は名実の“実”のほうを兼ね備えていないからです。
たとえば今から30年ほど前、プロ野球の1億円プレーヤーは落合さんなど、数えるくらいしかいなかったと思います。しかし、現在は1億円プレーヤーなど珍しくもなんともありません。
しかし、現在の1億円プレーヤーたちが、3冠王を3度獲得した史上唯一のプレーヤーである落合さん以上の実力を持っているのでしょうか?答えはNOでしょう。
つまり、現代はたいした実力などなくても、誰でも1億円プレーヤーになれてしまう時代なだけだということです。
CDセールスにおいてもそれと同じ。
キャロルの【ファンキー・モンキー・ベイビー】
ハウンドドッグの【ff】
TheALFEEの【星空のディスタンス】
FENCE OF DEFENCEの【セイラ】
TMの【GetWild】
X JAPANの【WEEK END】
SOFT BALLETの【BODY TO BODY】
UNICORNの【おかしな二人】
COMPLEXの【BE MY BABY】
ラルクの【flower】
BOφWYの【Marionette】
━━この中で100万枚以上の売り上げを記録したのは、たぶん【Marionette】だけだと思います。つまりこれらの曲はセールス的には、MONGOL800の【小さな恋のうた】より大きく下回るというわけです。
しかし、【小さな恋のうた】を何度聴いても、前述の曲以上に魅力的な曲にはどうがんばっても思えません……。要するに現代はたいした実力などなくても、誰でも100万枚、200万枚を売ることができる時代なだけだということです。
【小さな恋のうた】が何百万枚売れようと、肝心の名実の“実”のほうが備わっていなければ話になりません。よって、私は【小さな恋のうた】をこきおろしたことを謝罪する気はありません。