親善試合2014 【ザックジャパンvsザンビア】 | ギタリスター誕生~ギター500年の歴史がここから変わる~

結果 4━3で日本の勝利

 
サイドをえぐった回数

 日本:15回  ザンビア:7回
 
バイタルエリアを有効活用した回数
 日本:1回  ザンビア:3回

  
カウンターの回数

 日本:4回  ザンビア:3回
 
ナイスシュートの本数 ※ナイスシュート━━GKのファインセーブ、微妙なオフサイド、バー&ポストに阻まれてゴールにはならなかったものの惜しいシュート。

 日本:1本  ザンビア:なし

 

 

 

 仮想コートジボワールの一戦。

 

 
 ザンビアは日本と同じ4231で、FIFAランク的に格下のチームなのですが、引いて守ってカウンターという攻撃はほとんど見せませんでした。

 

 
 前半、日本は右サイドからの攻めを狙います。しかし右SB内田のパスが通らなかったりなど、なかなか右サイドを攻略することができません。コスタリカ戦でもそうでしたが、どうも内田の調子が気にかかります……。

 

 
 一方、ザンビアは右サイドのDFから左SHへの対角線サイドチェンジを多用してきました。このサイドチェンジパスの精度が高く、どうやらザンビアを代表する武器なようです。

 

 
 また、ザンビアは守備力も高く、日本は中央からコンビネーションで崩そうとするたびにボールをインターセプトされ続けました。日本のコンビネーションのパターンを研究しているのはもちろん、ザンビアの選手たちひとりひとりの頭の良さ、危機察知能力の高さがうかがえます。

 

 
 ザンビアには有名選手はひとりもいないのですが、36歳の若きフランス人監督の手腕が遺憾なく発揮されているといったところです。

 

 
 一向に中央からの崩しのきっかけがつかめない日本。要因はザンビアの守備力の高さだけでなく、ワントップ柿谷のプレースタイルにもあると思います。

 

 
 この試合の柿谷はザック監督の指示なのか、キプロス戦で見せたようなコンビネーションの起点になるプレーは見せず、裏への飛び出しを始終狙い続けていました。しかし、それはいまいち機能しなかったようです。

 

 
 先制したのはザンビア。2点目を先に取ったのもザンビア。格上の日本がまさかの2点ビハインドの展開……。

 

 
 しかし、香川が得たPKを本田がきめて1点差に。そこからそれまで目立たなかった長友が左サイドを蹂躙し出し、多くのチャンスをつくり出していきます。

 

 
 不調の内田とは対照的に、長友は傑出した個人能力でなんとかしてしまう人なようです。

 

 
 後半、大迫が投入され、岡崎に代わって大久保が右サイドアタッカーへ。

 

 
 『よーし、大迫が入ったか。前半はまったく見られなかったクサビからの展開を見せてくれ!』と期待したのですが、やはりザンビアの研究された守備の前に、大迫ですら思うようなプレーはできませんでした。

 

 
 突破口が見つからない日本。それでも日本は中央からの崩しにこだわります。そんな日本に解説の松木さんが『きれいにやろうとせず、もっと強引に行くべきだ!』といっていましたが、私もまったく同じ意見でした。サイドからの高速クロスやミドルシュートを積極的に狙っていけば、もっと早くなんらかの血路が見出せたはずです。

 

 
 『コスタリカ相手にあれだけやれた俺たちが、格下のザンビア相手にギャンブルサッカーなんかやってられるか……』というプライドはあったのかもしれませんが……。

 

 
 そんないやな流れを断ち切ったのが香川のクロス性シュート。ボックス内の大久保のポジショニングが運良く敵GKの守備をさまたげ、ボールはザンビアゴールに吸い込まれていきました。

 

 
 勢いに乗った日本。オーバーラップしたCB森重の技ありのグラウンダークロスを、本田がスライディングシュートで押し込んで逆転。

 

 
 が、そのまま終わると思われた後半43分頃、ザンビアにミドルシュートをたたきこまれて悪夢の同点……。

 

 
 強化試合ラストは格下相手に引き分けで終わるのか━━誰もがそう思った後半アディショナルタイム。途中出場の青山の裏へのロングパスを、大久保が華麗なトラップから体勢を崩しながらシュート。それがザンビアゴールに突き刺さって劇的勝ち越し。

 

 
 大久保のシュートはGKの左右両脇ではなく、GKの頭上をぶち抜く高度なものでした。時間帯的にも技術的にも、おそらくザックジャパン史上3本に入るゴールなことでしょう。

 

 
 私は以前、【ブラジルワールドカップで大久保に期待されるのは“奇跡”である】という記事を書いたのですが、まさにこの試合のような働きが大久保に求められているのです。強化試合ではありますが、ザック監督はきっとご満悦なことでしょう。

 

 
 岡崎の流血など、いろいろなハプニングのあった試合ではありましたが、すばらしい好チーム相手にシーソーゲームを制すことができました。これで日本は強化試合3戦全勝でワールドカップに挑むことになります。

 

 
 また、コスタリカ戦で見せたワンツー突破によるもろさも、この日は1回だけではありますがうまく阻止することができていました。

 

 
 ただ、この試合の日本のGKは西川だったのですが、川島から正GKの座をもぎ取らなければならない彼にとって、この試合の3失点はすべて内容的に痛すぎるものでした。

 

 
 ボランチ、CB、SBは誰がスタメンで使われるのかまだまだわかりませんが、どうやらGKはやはり川島できまりそうです。

   

 

 

ベストシュート━━(後半)日本、大久保の勝ち越しシュート。

 
ベストタテパス━━(後半)日本、青山の裏へのロングパス。

 
ベストクロス━━(後半)日本、森重のグラウンダークロス。

 
ベストインテリジェンス━━(後半)日本、本田のチームを落ち着かせるキープのドリブル。

 
ベストドリブル━━(前半)日本、長友の左サイド突破。

 
ベストファンタジー━━(前半)ザンビアのCKからの2点目。

 
ベストディフェンス━━(後半)日本、今野のボックス内でのカバーリング。

 
ベストセーブ━━(後半)ザンビア、ウサバタのキャッチング。

 
ベストプレーヤー━━悩むところですが、ぜったいきめてほしいところでふたつともきちっときめてくれた本田をあげたいです。

 

 

 

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