ブラジルワールドカップ記念として日本の過去のワールドカップを振り返る企画第5段。今回は2002年大会のベルギー戦をとりあげます。
この試合は2━2で引き分け、日本がワールドカップ史上はじめて勝ち点1をゲットした歴史的な試合です。しかし、この試合、GK楢崎のポカさえなければ、日本は勝てていたかもしれない試合なのです……。
日本vsベルギー戦。先制したのはベルギーで、アバウトなループボールをボックス内のウィルモッツがオーバーヘッドシュートでたたきこんだものです。
しかし、この失点、GK楢崎は防げていたと思います。
ループボールがやや裏へ蹴られ、ウィルモッツがオーバーヘッドを狙おうとした瞬間、日本のDF陣が手をあげてオフサイドをアピールしました。もちろん、本当にオフサイドだからではなく、審判の判断を惑わすためのアピールです。
それはそれでいいのですが、なんとこのとき、GKの楢崎までもが左手をあげてオフサイドをアピールしてしまったのです。
次の瞬間、ウィルモッツのオーバーヘッドシュートが蹴られ、急いで体勢を整えた楢崎のやや右横を通り抜けてゴールネットに突き刺さることになりました。
ウィルモッツのオーバーヘッドシュートのコースはくり返すように“楢崎のやや右横”です。もしも左手をあげてオフサイドアピールなどせず、ウィルモッツのシュートにのみ集中していれば、充分止めることができたシュートだと思います。
この楢崎のポカさえなければ、日本はベルギーに勝てていたかもしれません。
そしてこのことで明らかになったことがあります。オフサイドのアピールはDF陣に任せて、GKはこれからはシュートにのみ集中すべきだということです。それによってつまらない失点を遥かに防げるようになると思います。