サッカーのおもしろさ | ギタリスター誕生~ギター500年の歴史がここから変わる~

ヤフー知恵袋に寄せられた質問
 俺は野球小僧ですが、サッカーの面白さがわかりません。別にサッカーを悪く言うつもりではありません。ただ、ボールがどっちに転がってるのかとか、オフサイドとか足がボールに当たってなくてこけたからファウルだとか、一番の極めつけがオフサイド。もう意味がわかりません。やってる本人は面白いかもしれないけど、テレビで見てる方は面白さが全然伝わりません。サッカーって得点シーンが少ないですよね。時間に直したら90分中1分くらいでしょ。それくらいしか観戦してるほうへの面白さが無いでしょ。その点野球は打者がヒットを打つ、バントをする、ホームランを打つ、走者が盗塁する、堅実な守備で投手を助け、ときに華麗な守備で観客を沸かす。投手は走者へのけん制、バッテリーと打者との駆け引き、・・・挙げればキリが無いほど、1つのプレーに面白さが詰まってるんですよ。サッカーの面白さを分かりやすく教えてください。

 
ベストアンサー

 サッカーはただ玉けってるだけのスポーツだろ?

 


弥勒が選ぶベストアンサー
 野球とサッカーを比べること自体間違ってるでしょ。

 
 自分は小学生のころ、あの96年夏の甲子園決勝の松山商×熊本工の試合を観たのがきっかけで野球が好きになりました。そのときのサッカーに対するイメージはあなたと同じでした。

 
 でも数年前からサッカー>野球になりました。きっかけは応援するチームができて試合を見るようになったことですね。

 
 サッカーは得点するシーンが少ないから面白くないというのは偏見です。得点以外にも楽しめる要素はたくさんあります。

 
 バントのように堅実にショートパスを繋ぐ、ホームランのように豪快にミドルシュートを叩き込む、走者が盗塁するようにしたたかに空いたスペースへ走る、堅実な守備で投手を助けるようにクレバーなディフェンスをし、華麗な守備で観客を沸かすようにだれもが入ると思ったシュートをスーパーセーブする、バッテリーと打者との駆け引きのように1対1で互いに相手の動きを読みあう、…挙げればキリがないほどの観客を魅了するプレーが90分の中に詰まってます。

 
 それに得点が少ないというのは、逆に言えば1点が入ったときの喜びが大きくなることにつながります。野球でも手に汗握る投手戦で終盤まで0対0が続き9イニング目にやっと1点とれた時の嬉しさはひとしおでしょ?それと同じでたとえ89分間点が入らなくてもロスタイムに1点取れば『今日試合見れてよかったな』となるわけです。

 
 あなたがサッカーの面白さが分からないのはサッカーを理解しようとしていないからだと思います。はっきりいってサッカーと野球では野球の方がルールが複雑です。インフィールドフライなんて素人には到底理解できません。野球小僧のあなたがオフサイドも理解できないというのは変な話ですね。

 
 サッカー・野球に限らずすべてのスポーツは、ルールを知りそのスポーツを楽しもうと思えば面白くないスポーツなんて無いと思います。あなたもまずオフサイドのルールを理解してサッカーをじっくり観戦するとサッカーの魅力が分かると思いますよ。

 

 

 

弥勒の回答

 
 【サッカーのおもしろさ】━━このキーワードでググッたら、サッカー協会やれ、有名選手やれ、サッカーライターやれのサイトが当たり前のようにグーグル検索結果1位に君臨していると思っていたのですが、実際にググッてみたらヤフー知恵袋の『サッカーのおもしろさがわかりません』という質問だったのです。これにはとても驚きました。

 

 
 グーグル2位以下のサイトはサッカーのおもしろさが書かれたサイトがずらりと並んでいるのですが、そうしたサイトが1位ではなく『サッカーのおもしろさがわかりません』という質問が1位のところに失望を禁じえません。

 

 
 たしかにグーグル2位以下のどのサイトをのぞいてみてもありきたりな意見ばかりで、サッカーに興味がない人がサッカーに強烈に興味を持ち出すような内容ではありませんでした……。

 

 
 ところで前述の野球小僧さんの質問には51件もの回答が寄せられ、その大半が【サッカーのおもしろさの説明】でした。それにもかかわらず『サッカーはただ玉けってるだけのスポーツだろ?』などという回答がベストアンサーとは……。

 

 
 このベストアンサー、投票で選ばれたのでしょうか?それとも質問者の方が自分で選んだのでしょうか?もしも後者の場合、サッカーのおもしろさを説明したほかの回答者の人たちにたいへん失礼だと思います。特に私が個人的にベストアンサーに選んだ回答は、中立の視点からサッカーのおもしろさを詳しく説明しています。この方にお礼の言葉ひとつもないのがどうも腑に落ちないのですが、『サッカーのおもしろさをわかりやすく教えてください』とのことなので、世界初の蹴球革命家である私が教えてあげようと思います。

 

 
 サッカーに似たスポーツにバスケやラグビーがあります。これらはサッカーとは対照的に点が大量に入ります。『そこがおもしろい!』という人もいると思いますが、シュートがぽんぽんときまって点が簡単に入りすぎてしまうことで、1点1点の希少性が極めて薄いのです。

 

 
 一方、サッカーはめったに点が入りません。つまり、ゴールシーンはめったに目撃できません。『そこがつまらない!』という方、ちょっと待ってください。考え方を180度変えてみましょう。サッカーの試合の最大の見所は、実はゴールシーンなどではないのです。それどころか逆説的ですが、ゴールシーン以外のシーンがサッカーの見所なのです。

 

 
 サッカーのゴールシーン以外のシーン━━そう。ボールが延々と転がり続け、ボールが延々と天高く舞い続け、ボールを取ったり取られたりをくり返す、あのシーンです。あのシーンこそがサッカーの試合の最大におもしろいシーンなのです。

 

 
 『はぁ?それ、どういうこと?』という方、焦らずに私の話を聞いてください。

 

 
 ゴールキーパーが右のサイドバックにパスを渡します。この瞬間から【右サイドからの攻撃】というタイトルの壮大な物語がスタートするのです。

 

 
 パスを受け取った右サイドバックが様々な困難を乗り越えてトップ下にパスを渡し、トップ下が様々な困難を乗り越えて右サイドハーフにパスを渡す。そして右サイドハーフが様々な困難を乗り越えてフォワードにラストパスを送る━━シュートは失敗して点は入らなかったものの、【右サイドからの攻撃】というタイトルの壮大な物語がいったん幕を閉じるのです。

 

 
 次は【左サイドからの攻撃】をやるかもしれませんし、【中央からの攻撃】をやるかもしれませんし、【ロングボールを使った攻撃】をやるかもしれません。サッカーの試合とは90分間、そうしたタイトルのついた壮大な物語が延々と延々と展開されるのです。つまりサッカーとは1試合で壮大な物語を何十回も何百回も堪能できるわけです。

 

 
 さらに、同じ【右サイドからの攻撃】というタイトルではあっても、まったく同じ展開はありえません。代表的なパターンや形は存在しますが、毎回毎回ちがう展開の物語になります。そのほとんどが失敗に終わって点は入りませんが、だからこそ1点に希少性があり感動があるのです。

 

 
 サッカーのおもしろいところはゴールシーンではなく、ゴールシーン以外のところです。これを理解できれば、90分間などあっという間なのです。

 

 

 

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